営業の提案からシナリオまでを自動生成するAIサービス、「アカマネサーチ」がリリース

2025年6月2日、日本のインキュベーター株式会社は、BtoB営業における商談準備をAIで効率化・高度化する新サービス「アカマネサーチ」の正式リリースを発表した。
営業提案からトークシナリオ生成までをAIが自動で行うことで、成約率の向上を支援する。
顧客課題の分析から提案生成まで、AIが営業準備を丸ごと支援
「アカマネサーチ」は、BtoB営業における商談前の準備作業をAIが代行することで、営業現場の課題解決を図るサービスだ。
このサービスは、営業対象となる企業名を入力するだけで、AIがWebサイトやIR情報、ニュースリリースなどの公開情報を自動で収集・解析する。
企業の事業内容や最新動向、業界特性、潜在的な経営課題などを整理した「企業調査レポート」「業界レポート」を出力する。
さらに、ユーザーが事前に登録した自社の製品・サービス情報と照合し、ターゲット企業の課題に即した「提案」内容を自動生成できる。
提案の構成や訴求ポイントもAIが最適化するため、説得力あるプレゼン資料の作成が可能となる。
加えて、生成された提案をもとにした「提案シナリオ」もAIが自動で提示する。
商談の目的設定、想定される論点、効果的な質問例、議論の展開手順など、商談を円滑に進めるための“型”が提供される点も特徴である。
営業の質とスピードを両立、人手不足時代の新たな選択肢となるか
「アカマネサーチ」は、提案の質を保ちながら準備時間を短縮できる点で、営業活動における大きな変革をもたらす可能性がある。特に、商談件数が多く準備に時間を割けない現場や、経験の浅い営業担当者にとっては強力な支援ツールとなるだろう。
企業側にとっても導入メリットは大きいだろう。営業の標準化と属人化の排除に貢献し、組織全体の提案力向上が期待できる。
さらに、AIによる課題分析と提案生成は、顧客ごとに異なるニーズに即応する「個別最適化」を実現する手段にもなり得る。
一方で、「内容の正確性や妥当性をどう担保するか」に関しては、AIに依存しすぎることで提案の本質が薄まるリスクもあると考えられる。
AIが出力する情報を営業担当者がどう活用し、どのように顧客との対話に落とし込むかが、導入成功のカギを握るだろう。
今後は、音声認識やCRM(※)との連携などにより、より高度な営業支援が行えるようになる可能性もある。
生成AIの進化とともに、BtoB営業の在り方自体が、抜本的に再定義されようとしているのではないだろうか。
※CRM:Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略。顧客情報を一元管理し、営業活動やマーケティング、カスタマーサポートの最適化を図るための手法・システム。