2026年7〜9月期の決算で、米テスラはGAAP営業利益7億ドル、純利益8億ドルを計上した。車両に加え、ロボタクシー、蓄電池、人型ロボットの展開を進め、AI・エネルギー分野への投資も続ける方針を示している。
営業利益7億ドル、AI・蓄電池の展開進む
2026年10月21日にテスラが公表した決算資料によると、同社のGAAPベースの営業利益は7億ドル、純利益は8億ドル、非GAAP純利益は17億ドルだった。
営業キャッシュフローは63億ドル、フリーキャッシュフロー(※1)は15億ドルで、現金・現金同等物・短期投資は前四半期から19億ドル増加した。過去12カ月累計売上高は2四半期連続で1,000億ドルを超えた。
自動車事業では累計1,000万台目を生産・納車し、ベルリン工場が過去最高の生産を記録した。ネバダ州では大型電動トラック「Tesla Semi」の量産も開始している。
オースティンでは9月3日からCybercabによるロボタクシーの乗車サービスを始め、四半期末の監視員なしの累計走行距離は約200万マイルとなった。
北米では新車納車の75%超にFSD(Supervised※2)の契約が付帯し、同機能は欧州9カ国で利用可能となった。
エネルギー事業ではテキサス州のMegafactoryが稼働し、計画生産能力は50GWhとされた。ネバダ工場製のLFP電池セルのみを搭載したMegapackも初出荷した。人型ロボットOptimusはフリーモントの量産ラインで生産を開始。
テスラは電池供給が自動車生産拡大の制約だと説明する一方、AI計算基盤や電池材料などへの投資を進め、年末までにAI学習用計算能力400MWを目指す計画を示した。
※1 フリーキャッシュフロー:営業キャッシュフローから設備投資額を差し引いた指標で、企業が事業活動と設備投資を通じてどの程度の現金を創出したかを示す。
※2 FSD(Supervised):テスラの運転支援機能。運転者の監視が必要であり、完全自動運転を意味するものではない。
AI・蓄電池への投資は収益源の多角化につながるか
今回の決算は、テスラが完成車販売に加え、AIソフトウェアやフリート関連事業の利益拡大を目指していることを示す材料といえる。
ロボタクシーや運転支援ソフトが継続的に収益を生む事業に育てば、販売台数や車両価格の変動を補う収益源になり得る。
蓄電池も、電力供給の安定化を求める企業の需要を取り込めれば、成長余地があるだろう。
一方、事業領域の拡大がそのまま利益増加につながるとは限らない。量産設備やAI計算基盤への投資負担に加え、電池の供給制約や自動運転関連の規制・安全性が、成長の速度を左右する可能性がある。
今後は、各事業の計画や技術的な進展だけでなく、投資を継続的な利益とキャッシュ創出へ結びつけられるかが重要になりそうだ。
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