ブロックチェーン支援企業Pacific Metaは、米Chainlink Labsとの戦略的提携と、相互運用性基盤「CCIP」の優先採用を発表した。コンプライアンス基盤『ACE』も導入支援サービスに追加した。
Pacific Meta、CCIP優先採用とACEの導入支援を開始
Pacific Metaは、異なるブロックチェーン間で資産やアプリケーションをつなぐCCIPを、相互運用性ソリューションとして優先採用したと、2026年10月16日に発表した。
あわせてChainlinkのAutomated Compliance Engine(ACE)を、海外ブロックチェーン製品の導入支援サービス「Partner Solutions」に追加し、対象サービスを今後拡充する。
日本の金融機関・企業は、機関投資家向けトークン化資産の展開でACEのコンプライアンスフレームワークを活用できる。
提携は市場開発、事業開発、オンチェーンID・信頼基盤の3領域で進められる。
両社は共同発信などで機関投資家向けトークン化の普及を図り、資産トークン化、デジタルID、コンプライアンス自動化の導入に取り組む。Pacific Metaは通信、家電、デジタル広告分野の日本企業とも連携し、Chainlinkの基盤を国内に導入する支援を担う。
Pacific Metaは、クロスチェーンの脆弱性を突いた攻撃による損失が30億ドルを超えたことを背景に、基盤の評価では分散性、安全装置、耐障害性、発行体の制御などを重要視しているという。
同社は、CCIPは16の独立したノードオペレーターからなるネットワークによる標準検証、チェーンごとのレート制限、発行体によるガバナンス監督や緊急制御を備えていること、トークンコントラクトに固有ロジックを組み込む必要がない点などを選定理由にあげている。
同社はグループ累計300件以上、国内外41カ国以上のプロジェクトに携わってきた実績を挙げ、今回の提携で日本の金融機関によるトークン化資産、オンチェーンID、コンプライアンス基盤の導入拡大を目指す。
共通基盤は導入を後押しも運用設計が鍵に
共通の技術基盤と国内向け導入支援が組み合わされば、金融機関がトークン化資産を検討する際の技術選定や導入準備の負担を抑え、実証から実運用への移行が後押しされる可能性がある。
IDや規制対応まで視野に入れた基盤が定着すれば、企業間連携やサービス展開の効率化にもつながるだろう。
ただし、基盤を採用するだけで安全性や法令順守が保証されるわけではない。
分散型の検証体制やレート制限があっても、管理権限、緊急時の判断、監視体制に不備があればリスクは残る。金融機関ごとの規制要件や内部統制に合わせた運用設計と、障害発生時の責任分担が欠かせないだろう。
今後は技術性能に加え、導入後の管理負担や既存システムとの接続、特定ベンダーへの依存度が採用判断を左右すると考えられる。Pacific Metaが国内事情に即した支援を具体的な導入案件につなげられるかが、提携の実効性を測る焦点となりそうだ。
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