NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、企業や自治体向けのAI活用基盤「AI Palette」(仮称)を開発中と発表した。
インターネットに接続しない環境で複数のAIを利用できる仕組みで、10月21日から千葉県の幕張メッセで参考展示する。
外部接続なしで複数のAIを統合、既存業務にも対応
NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は2026年10月13日、企業や自治体向けのAI活用基盤「AI Palette」(仮称)を開発中であると発表した。
10月21〜23日に開催される「Japan DX & AX Week 秋 2026」で参考展示する予定だ。
同基盤は、社内などに設置するAIサーバーを利用するオンプレミス方式(※)を採用する。
インターネット接続を必要とせず、個人情報や業務データを外部に送信せずに処理できる設計だ。
製造業や金融機関、官公庁、社会インフラ事業者などを主な利用先に想定している。
構成は、認証・権限管理やAPI連携などを担う「基盤」と、用途別のAI機能を提供する「カセット」の二層だ。
生成AI、画像解析、AI-OCR、音声認識、データ分析などを組み合わせ、必要な機能を段階的に追加できる。生成AIにはNTTの日本語対応モデル「tsuzumi」などを利用可能としている。
さらに、既存システムとAPIで接続し、同社のRPAツール「WinActor」やワークフローエンジンとも連携する。
展示会では設備点検を題材に、紙の点検票のデータ化から異常兆候の分析、自然言語での問い合わせまでを実演する予定だ。
※オンプレミス方式:企業や自治体が自ら管理する施設や設備内にサーバーなどを設置し、システムを運用する形態。クラウドサービスと異なり、データの保存場所や通信経路を組織側で管理しやすい一方、機器の保守や更新などの運用負担が生じる。
機密情報の活用に期待、運用負担と実効性が課題
この仕組みが実用化されれば、外部クラウドに情報を送れないため生成AIの導入を見送っていた組織にも、活用の余地が広がる可能性がある。
特に、点検記録や申請書などの社内データをAIで扱える点は、書類処理の効率化や現場の判断支援につながりうる。
複数のAI機能を共通基盤で管理できることも利点だ。業務ごとに別々のツールを調達・運用する方式と比べ、認証やシステム連携をまとめやすくなると考えられる。
また、カセットの追加方式は、一度に大規模なシステム更新を行いにくい自治体や企業にも適している。
一方、オンプレミス方式ではサーバーの導入・保守、AIモデルの更新、障害対応などをどう担うかが重要になる。
外部ネットワークから隔離しても、アクセス権限の管理や内部不正への対策が不要になるわけではない。AIが出力する分析や回答の精度を確認する運用も欠かせないだろう。
今回の発表はあくまで開発中の製品の参考展示であり、実運用での処理性能や導入費用、正式な提供時期は明らかにされていない。
今後は、デモで示す一連の作業を実際の業務条件でも安定して実行できるかが、導入判断を左右する重要な指標となりそうだ。
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