2026年10月8日までに、国内の富士フイルムビジネスイノベーションは、米Microsoftとの協働を強化し、文書管理ソフトウェア「DocuWorks」とMicrosoft 365および生成AI「Microsoft Copilot」との連携を拡大すると発表した。2027年3月末の提供開始を目指し、企業に蓄積された文書資産をAIで活用しやすくする機能の開発・検証を進めている。
DocuWorks文書をMicrosoft 365とCopilotで活用
今回の協働強化では、Microsoft OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams上でDocuWorksファイルの内容をプレビューできる機能と、ファイルをMicrosoft Copilotにアップロードして利用できる機能を開発する。具体的な提供時期や条件は今後決定する予定であり、現時点では提供開始に向けた開発・検証段階にある。
DocuWorksは1998年の発売以来、スキャンした紙文書やさまざまな形式の電子文書を一元管理し、閲覧・編集・共有できる環境を提供してきた。国内外で累計1,000万ライセンスを超える販売実績があり、製造、流通、金融など幅広い業種で利用されている。
一方、企業では文書の形式や保管場所が分散し、必要な情報を円滑に参照できない課題がある。今回の連携により、既存のDocuWorks文書をMicrosoft 365の環境から確認し、生成AIによる要約などに活用できるようになることを目指す。使い慣れた業務環境を維持しながら、過去に蓄積した情報を再利用しやすくする狙いだ。
文書資産のAI活用に期待 情報管理と精度が課題
今回の連携は、企業内に眠る文書を生成AIで活用可能な情報資産へと転換する取り組みといえる。
過去の報告書や業務記録、技術文書などをCopilotで参照・要約できれば、情報収集や資料確認にかかる時間を削減し、従業員が判断や企画に充てる時間を増やせる可能性があるだろう。特に、長年の業務で蓄積された知識や専門知識を組織内で共有しやすくなれば、属人的なノウハウの活用にもつながるとみられる。
富士フイルムビジネスイノベーションは今後、文書の作成・更新・通知なども支援できる基盤への進化を検討している。Microsoft 365内のさまざまな情報との連携が進めば、文書管理から情報共有、AI活用までを一貫して支える仕組みへ発展する可能性がある。
ただし、AIによる要約や情報抽出の精度、アクセス権限に応じた情報管理、機密文書の取り扱いには注意が必要だ。利便性を高めるだけでなく、適切な権限管理と出力内容の確認を徹底できるかが重要となる。今後は提供機能の具体化とともに、企業が安全に文書資産を活用できる環境をどこまで整えられるかが焦点だ。