JR東日本や京浜急行電鉄など国内の鉄道7社は、2027年春から磁気乗車券をQRコード付きの乗車券へ置き換えると発表した。
券売機で購入したきっぷを改札機にかざす方式に変更し、持続可能な鉄道サービスの実現を目指す。
鉄道7社の全路線・全駅で導入、改札の通過方法も変更
2026年10月13日、JR東日本、京成電鉄、京浜急行電鉄、仙台空港鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道の7社は、紙のきっぷの利用方法を変更すると発表した。
対象は7社の全路線・全駅だが、駅ごとに設置機器が異なるため、実際の利用手順には違いが生じる。
従来の磁気乗車券は、改札機の投入口へきっぷを入れる方式だったが、新方式では、券売機が発行するQR乗車券(※)を自動改札機の読み取り部にかざして入場する。
出場時も同様にかざした後、改札機に設置された回収箱へ投入する流れとなる。
きっぷの形状も変わる。現在の小型券は縦30ミリ、横57.5ミリだが、新しい乗車券は一部を除き縦57.5ミリ、横85ミリの大型券となる。
QR乗車券対応の自動改札機がない駅では、有人窓口を利用する。詳しい案内や従来の磁気乗車券などのサービス変更内容は今後各社が公表する予定だ。
また、相互直通運転などで関係する他社との調整も継続する。2027年度以降に導入する別の事業者については、開始時期が決まり次第発表される。
※QR乗車券:紙などに印刷した二次元コードを読み取り、乗車に必要な情報を確認する方式のきっぷ。磁気情報を改札機内部で読み取る従来型とは異なり、利用者がコードを読み取り部にかざして通過する。
改札設備の効率化に期待、利用者への案内が課題に
今回の変更は、日常的な移動を支える鉄道インフラにおいて、紙のきっぷもデジタル技術を前提とする仕組みへ移行する動きと言える。
交通系ICカードやモバイルサービスの普及が進む一方、現金で券売機からきっぷを買う利用者にも対応を続ける必要がある。QR方式は、その両立を図る選択肢となりそうだ。
磁気券を内部で搬送する仕組みから、コードをかざして読み取る方式に変われば、改札設備の構造を簡素化できる可能性がある。
長期的には保守管理の負担軽減や設備更新の効率化も期待される。
ただし、今回の発表にはコスト削減額や故障率の改善見込みといった数値は示されておらず、効果の大きさは現時点で判断できない。
利用者にとっては、きっぷを投入する従来の動作から、コードの向きや読み取り位置を意識する使い方へ変わる点が重要だ。
スマートフォンでのQR決済に慣れた人には理解しやすい一方、操作に不慣れな人や乗り換えを急ぐ人が戸惑う場面も想定される。
特に、QR対応改札機の有無によって駅ごとの通り方が異なることは、導入初期の混乱につながりかねない。各社には分かりやすい掲示や案内、有人窓口での対応が求められるだろう。
今後は直通先の事業者との調整状況も含め、利用者が路線をまたいで円滑に移動できるかが、新方式の定着を左右すると考えられる。
東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業者7社QR乗車券のサービス開始について
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