2026年9月25日、日立製作所はLinux Foundation設立の新組織「Tokenomics Foundation」へ日本企業で初めて加盟したと発表した。AI投資の費用や成果を可視化し、企業の価値管理標準化を推進する。
日立がTokenomics Foundationに加盟 事実関係と背景
複数のAIエージェントが協調して業務を行うAgentic AIの普及に伴い、企業のAI活用は本番段階へ移行しつつある。一方で、AIのトークン消費量の急増がIT予算を圧迫する問題が発生しており、投資対効果の客観的な評価が求められていた。しかし従来はモデルやベンダーごとに測定規格が異なり、比較や最適化の手法確立が難航していた。
こうした中で設立されたTokenomics Foundationは、FinOps Foundation(※)と連携し、AIの投入資源やコスト、創出価値を管理する標準フレームワークの提供を目指す。
日立は米国のHitachi Digital Servicesとともに参画し、グローバルDXや運用支援の実績を投入する。さらに自社の次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」の共通サービス「HMAX AI Operations」にも最新ノウハウを反映させ、運用の継続的改善を進めていく方針だ。
※FinOps Foundation:クラウド財務管理の実践を支援するLinux Foundationのプロジェクト。標準化や教育を通じて、コスト最適化とビジネス価値最大化を目指す。
AI可視化がもたらす価値と課題 透明性向上と運用のハードル
本取り組みによる最大の利点は、これまでブラックボックス化しやすかったAI投資の経済的成果が明確化される点にあるとみられる。トークン消費などの統一指標によって費用対効果が透明化されれば、企業はデータに基づいたIT投資の判断を行いやすくなり、無駄なコスト肥大化の抑制につながると期待される。日立が培った信頼性やセキュリティの知見が標準化に活かされることで、業界全体のAI導入に対する心理的ハードルが低下していくことも想定される。
一方で、標準規格の定着にあたっては、一定のリスクや課題が生じる余地もある。共通化された基準を個々の企業固有のシステム環境や評価指標に組み込む際、実務プロセスや組織体制の再構築に時間を要する可能性があるためだ。 また、指標の導入自体が目的化し、運用現場における本来の生産性向上から乖離してしまう恐れにも配慮が必要とされる。
今後は、日立が主導する世界規格の実装がどこまで汎用的に普及していくかが焦点になると考えられる。標準化された評価手法が定着した場合、効率的で持続可能なAI活用が一段と促進され、グローバルなビジネスAXの加速に寄与していくと予測される。
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