SBIホールディングスはライブドアの全株式を75億円で取得する基本合意書をミンカブ・ジ・インフォノイドと締結した。国内有数のネットメディアを傘下に迎え、「ネオメディア生態系」の拡大を進める。
SBI、ライブドア全株式を75億円で取得へ
SBIホールディングスは2026年9月17日、ミンカブ・ジ・インフォノイドとの間で、同社の完全子会社であるライブドアの全株式を取得する基本合意書を締結した。今後、株式譲渡契約を結び、金銭75億円を対価として全株式を取得する予定だ。
取引の実行には、ミンカブが今後開催する株主総会での承認が必要となる。
ライブドアは、総合ニュースサイト「ライブドアニュース」、韓国エンタメニュースサイト「Kstyle」、ブログサービス「ライブドアブログ」を展開している。月間総利用者数は約1億人、SNSフォロワー数は延べ3,000万人を超えるという。
SBIは金融・IT・メディアの親和性に着目し、顧客基盤の拡大と新たな成長機会の創出に向けてメディア事業へ参入してきた。
2025年5月にはSBIネオメディアホールディングスを設立し、金融機能や顧客接点、デジタル技術とコンテンツ、IP、タレント、制作・発信機能などを組み合わせる「ネオメディア生態系」の構築を進めている。
今回の取引は、2026年5月19日に締結したミンカブとの資本業務提携に関する基本合意書を踏まえたものだ。SBIは自社の資本力や幅広い事業領域、顧客基盤とライブドアの事業・アセットを結び付けることで、その潜在価値を一層引き出し、さらなる成長につながると判断した。
また、SBI、ミンカブ、NTTデータの3社は同日、業務提携契約を締結しており、その一環としてNTTデータがミンカブの既存株主からミンカブ株式を取得することに合意している。
ライブドア株式の取得は、NTTデータによるミンカブ株式の取得と同時に実行される計画だ。
ライブドア買収で広がるメディア戦略の余地
ライブドアの大規模な利用者基盤やSNS上の接点は、SBIグループが金融サービスとの連携を進める際の新たな顧客接点として生かせる余地がある。既存メディアを軸に、情報発信からサービス利用へつなげる展開も視野に入りそうだ。
また、ニュースやエンタメ、ブログなど異なる領域のコンテンツを抱えることで、金融以外の情報接触から新たな利用機会につなげられる可能性もある。
SBIが掲げる「ネオメディア生態系」を具体化するうえで、ライブドアの事業基盤が一つの要素になることも考えられる。
ただし、メディアと金融サービスを組み合わせる場合、コンテンツの信頼性とサービスへの誘導をどのように両立させるかが課題になりうる。利用者にとって情報提供と金融サービスの境界が分かりにくくなれば、メディアとしての受け止め方にも影響する可能性がある。
今後は、SBIがライブドアの既存サービスを維持しながら、金融・ITとの連携をどこまで広げるかが焦点になりそうだ。
75億円の取得額に見合う価値を生むには、傘下入りだけで終わらせず、双方の顧客接点や事業基盤をどう組み合わせるかが鍵を握るだろう。
関連記事:
gumi、SBI証券割当で最大約57億円調達 暗号資産とAI投資を強化

SBIがAjaibへ戦略出資 東南アジアのデジタル金融網を強化
