Coincheck GroupとDFNSは、日本国内のデジタル資産ウォレット技術とカストディ分野で戦略的提携を発表した。
コインチェックを支援し、日本の金融機関向けに機関投資家水準の安全なカストディ基盤の構築を目指す。
DFNS技術で国内金融機関向けカストディ構築へ
2026年9月1日、コインチェックは、親会社のCoincheck GroupがDFNSと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
規制当局の要請への対応と最終契約の締結を前提に、コインチェックが日本の金融機関向けに高水準のデジタル資産カストディを構築できる体制を支援する計画だ。
今回活用されるのが、DFNSのウォレット・アズ・ア・サービス(WaaS※)である。
同基盤は、取引のライフサイクル管理、ワークフロー、ポリシーやガバナンス、鍵管理、外部サービスとの連携を一つの管理環境に集約する。
100超のブロックチェーンネットワークに対応し、SaaS、ハイブリッド、オンプレミスから導入形態を選択できる点も特徴だ。
さらに、HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)へのネイティブ対応により、暗号鍵を自国法域内で管理したい金融機関や規制当局の要請にも対応しやすい。
一方、Coincheck Groupは、DFNSとの最終契約を締結できない可能性に加え、協業や製品統合の遅延、想定するB2BやB2B2C案件を十分に獲得できないリスクも示している。
※WaaS:Wallet as a Serviceの略。企業が自前で複雑なウォレット基盤を構築せず、外部サービスを通じて鍵管理や取引制御などの機能を利用できる仕組み。
機関投資家需要の取り込みへ 規制対応が成否を左右
今回の提携は、日本でデジタル資産を扱う金融機関の参入基盤を整える動きとして注目される。
日本では機関投資家向けカストディで信託銀行が中心的な役割を担っており、安全性とコンプライアンスを両立したサービスへの需要は今後さらに高まる可能性がある。
DFNSの技術を活用できれば、コインチェック側は機関向け事業の選択肢を広げやすくなると考えられる。
特に、複数チェーンへの対応や鍵管理の柔軟性は、金融機関ごとに異なる運用要件への適応で強みになりうる。
個人向け暗号資産交換業で事業基盤を持つコインチェックが、機関投資家向けインフラまで領域を広げれば、日本市場におけるデジタル資産サービスの利用主体が個人から法人・金融機関へと広がる契機にもなり得る。
また、国内金融機関がデジタル資産を扱う際の技術的・運用的な負担を軽減できれば、新規サービスの立ち上げや既存金融サービスとの連携も進めやすくなると考えられる。
今後は、制度面の要件を満たしながら、金融機関が実運用できる安全性と利便性をどこまで両立できるかが焦点になりそうだ。
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