コロプラは「コロプラAI構想2026」を公開した。
2026年6月時点で全社員のAI活用率が約98%に達したことを背景に、個人の業務効率化から組織の仕組みと新たな感動体験の創作へ、AI活用の軸を移す方針を示した。
コロプラ、全社AI活用を仕事と創作の再設計へ
コロプラでは2025年10月に社員のAI活用率90%超を実現し、2026年6月には約98%まで上昇した。
業務上AIを利用する機会がほとんどない一部職種を除けば、実質的な活用率は約99%に達している。
同社はこの状態を、AIツールの導入成果ではなく、仕事と創作を再設計するための基盤と位置付けている。
2026年8月17日に発表された構想では、個人支援、チーム接続、文脈資産化、創作支援、業務実行、体験還元の6領域を設定。
さらに「個人」「部署」「全社」の3段階でAI活用を組み合わせる「6×3再設計マップ」が整理された。
個人では生成AIやコーディングAI、エージェント型AIを活用し、部署では会議の決定事項などを抽出する「SHEOL」、全社では社内情報へのアクセスや申請を支援するAIエージェント「William」などを展開する。
同社は「創作の主体は常に人である」と明確にしている。
AIには調査、要約、下書き、定型作業などを担わせる一方、「何をつくるのか」「何を面白いとみなすのか」といった判断や最終的な品質への責任は人が担う方針だ。
また、これまで「まず知っている人に聞く」ことを前提としていた業務の入口を「まずAIに聞く」形へ変える「アンラーニング(※)」も全社で進めるという。
同社は、AI活用はそれ自体が目的ではないとしている。
AIを前提とした仕事と創作の再設計によって生まれた余白を、人にしかできない創作へ振り向けることで、「新たな感動」につなげる考えである。
なお、すでに同社の生成ゲーム『神魔狩りのツクヨミ』では、プレイヤーの行動に応じてAIがオリジナルのカードイラストをリアルタイムで生成する仕組みが実装されている。
※アンラーニング:従来の仕事の進め方や前提をいったん見直し、環境の変化に合わせて新しい方法を学び直すこと。
AI活用の高度化、創作力向上と新たなリスク
今回の取り組みのメリットは、AIを個人単位の生産性向上で終わらせず、組織全体の知識や業務プロセスに接続できる点にありそうだ。
個人の記録を部署へ、部署の記録を全社へ蓄積する循環が機能すれば、情報検索や引き継ぎ、意思決定に伴うコストは抑えられ、人は企画や創作に集中しやすくなるだろう。
一方で、AIが業務の入口や実行部分まで担うほど、誤情報や判断ミス、権利、個人情報、透明性などへの対応は重要になるはずだ。
特に「AIに聞けば分かる」という状態が定着すると、出力を無批判に受け入れるリスクも高まるため、人による判断と責任の線引きを維持することが重要になりそうだ。
今後は、こうした社内の再設計と、顧客向けサービスへのAI活用が連動するかに注目したい。
AIによって削減した作業時間を新しい体験の創出へ継続的に振り向けられれば、AI導入率ではなく「AIによって何を生み出したか」が企業の競争力を左右する時代になるかもしれない。
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