米OpenAIは「Building abundant intelligence」を公開し、AIモデルのアクティブユーザーが10億人、企業利用が200万社を超えたと明らかにした。
価格引き下げやシステム効率化を進めながら、より多くの人へ高度なAIを届ける戦略を示している。
10億人利用へ AI普及戦略を加速
2026年7月31日に公開された「Building abundant intelligence」では、OpenAIがAIをより高性能かつ低コストで提供するための取り組みを説明した。
アクティブユーザーは10億人を超え、企業利用も200万社以上に達しており、利用規模の拡大が鮮明になっている。
同社は直近の価格改定として、GPT-5.6 Lunaの利用料金を80%、GPT-5.6 Terraを20%引き下げた。
また、GPT-5.6 SolのFast modeは、標準処理と同じ知能水準を維持しながら、2倍の料金で最大2.5倍の処理速度を提供する。
利用者は用途に応じて速度とコストのバランスを選択できる。
インフラ面では、GPT-5.6 Solを活用してモデル提供用ソフトウェアを最適化し、提供コストを20%削減したほか、トークン生成効率を15%以上向上させたという。
さらに、保持推論やコンテキスト管理の改善により、モデル自体を変更せずにARC-AGI-3のスコアを13.3%から38.3%へ引き上げ、出力トークン数を6分の1に削減した。
同社は、インフラ、AIモデル、プラットフォーム、製品を一体的に改善する「フルスタック型」のアプローチを重視している。
ChatGPTやChatGPT Work、Codex、APIなどの利用から得られるフィードバックを研究開発や製品改善に活用し、モデル性能の向上や提供コストの低減につなげる考えである。
また、登録から6か月が経過したユーザーは、1日に送信するメッセージ数が約50%増加し、ChatGPTを活用する業務の種類も約2倍へ拡大した。
ChatGPT Workでは、質問への回答にとどまらず、複数工程からなる作業を完了する活用が進んでいる。
また、OpenAI社内では、Codexを通じたエージェント型作業が週間出力トークンの99.8%を占めている。
低価格化で企業活用拡大へ 管理体制の整備が課題
OpenAIのAI利用規模拡大は、企業におけるAI活用のあり方を変える契機になると考えられる。
これまで補助的な役割が中心だったAIも、複数の業務工程を支える存在として位置付けられる場面が増えていくだろう。
特に、モデル性能の向上と利用コストの低下が同時に進めば、AI導入に踏み出しやすい企業が広がることが見込まれる。
業務効率化に加えて、新規サービスの企画や意思決定の支援など、活用方法の多様化にもつながるとみられる。
一方で、利用範囲が広がるほど、企業にはAIを適切に管理する体制づくりが求められる。
複数の部署でAI利用が進んだ場合、入力情報の扱いや利用ルールが明確でなければ、情報管理上の課題が生じる可能性もある。
今後は、AIを導入しているかどうかだけでなく、どの業務でどのような成果を生み出せるかが重要な視点になるとみられる。
OpenAIが示した大規模な利用実績は、AIが企業活動の中で活用される領域を広げている流れを示す一つの指標になると言えそうだ。
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