2026年7月27日、アプリ分析大手のフラー株式会社が「生成AIアプリ市場調査レポート2026年6月版」を公開した。国内の利用データを基にした分析により、生成AIアプリの市場規模が拡大傾向にある実態が明らかとなった。
延べMAUは2年で約18倍へ ChatGPTとGeminiが併用の軸
フラーが提供するアプリ市場分析サービス「App Ape」のデータを基にした調査によると、国内における生成AIアプリの延べMAU(※)は2024年6月から2026年6月までの2年間で約18倍へと急拡大を遂げた。
2025年前半までは緩やかな増加にとどまっていたものの、同年後半から成長ペースが急加速した形だ。
ユーザー構成の面では、40代以上の層で男女比の偏りが縮小傾向を見せたほか、10代の利用率増加が確認された。
一方で、利用状況の分析からは特定の主要サービスに利用が集中する構造も浮かび上がる。
具体的には、他の生成AIアプリを使うユーザーの多くが「ChatGPT」や「Google Gemini」を併用している実態が明らかとなった。
利用頻度の変化に着目すると、月間利用日数が10日以上のミドルユーザーや20日以上のヘビーユーザーの割合が着実に拡大している。
特に「Claude」ではライト層から中・高度利用層への移行が顕著であり、全体として単なる試行利用から日常的な業務や生活への定着フェーズへ移行したと言える。
※MAU:Monthly Active Users(月間アクティブユーザー数)の略。1ヶ月の間に指定のアプリやサービスを1回以上利用したユニークユーザーの総数を指す指標。
日常ツールとしての定着が進む一方 特定アプリへの集中が課題に
今回判明した利用頻度の増加は、生成AIが一時的な流行を脱し、ビジネスパーソンや学生の生活基盤に組み込まれつつある現状を示唆している。
月間利用日数が増加傾向にある背景には、単なるテキスト生成にとどまらず、分析や企画立案といった具体的業務への応用が進んだ影響が存在すると推測される。
生産性向上に直結するツールとして定着した点は、関連事業者にとって市場開拓の追い風となるに違いない。
一方で、市場構造の固定化に対するリスクも懸念される。
併用率の分析が示す通り、ユーザーの多くはChatGPTやGeminiを軸として活用しており、新規参入アプリや特化型サービスが単体でシェアを奪うのは容易ではない可能性がある。
新規参入を図る事業者は、既存の二大巨頭にはない独自の付加価値や特定領域への特化をより明確に打ち出す必要があると考えられる。
今後は、単なる機能の先進性だけでなく、いかに日常のワークフローに不可欠な存在となれるかが競合との差別化を分ける鍵となりそうだ。