北海道教育委員会がAI教材「すらら」の継続利用を決定
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2025年2月21日、北海道教育委員会は、不登校支援の一環としてAI教材「すらら」の継続利用を行う方針であることを発表した。
この取り組みはメタバース空間「ほっかいどう メタ☆キャンパス」での学習支援の一部として2024年8月から試験運用が開始されている。
試験導入の成果を受け、2025年度も継続利用が決定された形だ。
AI教材「すらら」とメタバース空間での学習支援
北海道内の不登校児童生徒数は約14,167人と過去最多を記録しており、そのうち約25%が専門的な相談や指導を受けていない状況にある。こうした児童生徒には地域特性により対面支援が難しいため、オンライン支援の必要性が高まっている。
そのような背景から、北海道教育委員会は、学習支援や教育相談を行うためのメタバース空間「ほっかいどう メタ☆キャンパス」を設計した。
オンライン環境を活用することで地域に関係なく学習機会を提供し、社会的自立を促進することが期待されている。
「すらら」は、国語、算数・数学、理科、社会、英語の5教科を網羅するAIアダプティブラーニング教材(人工知能を活用し、学習者一人ひとりの理解度や進捗状況に合わせて最適な学習内容やペースを提供する教材)である。アニメーションキャラクターによる対話形式のレクチャー動画を特徴としており、双方向の学習体験を提供している。
小学校から高校までの12学年分のレクチャー、ドリル、テストを含むオールインワン教材である。
試験導入の成果と今後の展望
2024年8月からの試験運用では約20名の生徒が「すらら」を使用して学習を開始した。
学習者の理解度に応じた復習や先取り学習が可能であり、AIによるつまずき分析機能が効果的であると評価されている。
これらの成果を受け、2025年度も継続利用が決定されたようだ。
今後、この取り組みがより広範囲に普及するには、利用者数の拡大が求められるだろう。
「すらら」の試験導入では約20名が参加したが、北海道全体で1万人以上の不登校児童生徒がいることを考えれば、対象範囲を広げる施策が必要となる。
家庭環境や通信環境に制約がある生徒への支援策を整えることで、より多くの生徒が利用できる仕組みを作るべきだろう。
また、メタバース環境の活用に関しても、さらなる工夫が求められる。現在の形では「学習空間」としての機能が中心となっているが、将来的には生徒同士の交流や、進学・就職支援といった幅広いサポートを組み込むことで、より実用的な教育プラットフォームへと進化する可能性がある。教師や専門家がどのように関与するかも重要だ。AIだけでなく、人間のサポートを組み合わせることで、学習の質を高める取り組みが求められる。
総じて、「すらら」の継続利用は、不登校支援の新たな可能性を示すものである。
単なる教材提供にとどまらず、生徒の学習意欲を維持し、社会的なつながりを生む仕組みを構築できれば、教育の在り方そのものを変える契機となるかもしれない。
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