AIとECの融合で利益増か 中国アリババ、10-12月売上高が大幅成長し、AIへの投資を宣言
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中国大手EC運営会社アリババグループが、2月20日に発表した2024年10-12月期決算は、売上高が前年同期比8%増の2801億5000万元(約386億ドル)と市場予想を上回った。
特に、国際EC事業の32%という急成長率と、同社が「数十年に一度の業界変革の機会」と位置づけるAI(人工知能)分野への積極投資宣言は注目に値する。今後のグローバルIT産業における競争の焦点が、クロスボーダーECとAI技術の融合へと移行する可能性がある。
クロスボーダー戦略が実を結ぶ
アリババの国際EC事業は32%という高成長を見せており、グローバル戦略が実を結んでいることがわかる。AP通信によれば、この成長はAliExpressやLazadaなどのクロスボーダービジネスの力強いパフォーマンスによるものだという。
AliExpressは主に中国企業の商品を世界各国の消費者に直接販売するB2Cプラットフォームとして機能し、Lazadaは東南アジア各国に特化したローカライズ戦略を採用している。地域特性に合わせた差別化戦略が功を奏し、海外市場における堅調な需要を獲得している。
これらのプラットフォームには、すでにAI技術が積極的に導入されている。
多言語対応のカスタマーサービス、地域ごとに最適化されたおすすめ、AI画像認識を活用した検索機能などが、顧客体験の向上と販売効率の改善に貢献している。
さらに国際物流においてもAIによる最適化が進められており、クロスボーダー取引の障壁を低減する効果をもたらしている。
AGI開発への投資宣言
呉泳銘(エディ・ウー)CEOは、AIに対する大幅な投資拡大宣言をした。
ウーCEOは会議で、「今後3年間でAIとクラウドコンピューティングインフラに過去10年間の投資額を上回る規模の投資を行う」と表明した。特にAGI(汎用人工知能)開発を「主要な目標」と位置づけ、「数十年に一度しかない業界変革の機会」と強調している。
AGIとは、特定タスクに特化した現在のAIとは異なり、人間のように幅広い知的作業を柔軟にこなせる汎用的な人工知能を指す。アリババは今年1月に最新のAIモデル「Qwen」を発表しており、ベンチマークテストで高い評価を得ている。
アリババのクラウド・インテリジェンス部門の売上は13%増加しており、2年間で最も速いペースでの成長となった。この成長率は、AI技術がすでに同社の収益に貢献し始めていることを示している。
まとめ
アリババの国際EC事業の急成長とAGI開発への大胆な投資計画は、グローバルなECの未来像を示すものだ。国境を越えて商品を売買できるだけでなく、AI駆動型の統合エクスペリエンスへと、サービスを進化させようとしている。
EC事業のグローバル展開を検討する企業は、単なるプラットフォーム構築や物流網整備にとどまらず、AI技術の戦略的活用を視野に入れるメリットが出てきた。アジア市場での競争力維持・強化には、地域特性とAI活用の掛け合わせが成功の鍵を握ることになるだろう。
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