NTT西日本、万博向けにAI音声合成サービスを発表
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NTT西日本は2025年4月に開幕する大阪・関西万博に向け、AI技術を活用した新たな音声合成サービスを発表した。このサービスは、著名人の声をリアルに再現し、多言語に翻訳して案内やイベントで活用することを目的としている。
万博の訪問者に対して、より魅力的でインタラクティブな体験が提供される見込みだ。
AI音声合成サービスの詳細と技術的特徴
NTT西日本が発表したこのサービスは、AIを用いて著名人の声をリアルに再現する音声合成技術を核としている。
合成された音声は日本語だけでなく、英語、中国語、フランス語など多様な言語に翻訳可能であり、国際的な訪問者にも対応する。この多言語対応は、生成AI「tsuzumi」(※)などを活用したもので、Osaka Metro御堂筋線梅田駅での社会実験でもその有効性が確認されている。
また、合成された音声にはデジタル証明書が付与され、改ざんされていないことを示す仕組みが導入されている。これにより、正規に作られた音声であることが確認でき、偽音声の問題に対処することが可能だ。録音した本人の声はブロックチェーン技術で保護され、改ざんや複製が困難な状態となる。
これらの技術的特徴により、万博のイベントや案内において、安全かつ信頼性の高い音声サービスの提供が期待される。多言語対応の音声案内は、訪問者が情報をスムーズに受け取る手助けとなり、万博の魅力を最大限に引き出す要素となるだろう。
※生成AI「tsuzumi」:NTT西日本グループとNTTコミュニケーションズが連携して提供するAI技術で、多言語対応の対話システムなどに活用されている。
活用シーンと期待される影響
この新たな音声合成サービスは、万博のイベントでアイドルや著名人が海外からのファンに向けて外国語でメッセージを伝える際や、会場内の案内放送などでの活用が見込まれている。
たとえば、NTT西日本は以前にも、アイドルグループ「櫻坂46」とのコラボレーションで、メンバーの声を多言語に翻訳し、旅行者向けの音声ガイドとして提供する実証実験を行っており、今回のサービスにもその技術が応用されている。
一方で、AI音声合成技術にはいくつかの課題も存在する。
まず、著名人の声を合成する際には、本人の同意が必要であり、プライバシーの問題が生じる可能性がある。特に、著名人の声を利用することで、意図しない形での利用や誤解を招くリスクがあるため、慎重な運用が求められる。
また、技術的な面でも、音声合成の精度や自然さが求められる。異なる言語間での翻訳においては、文化的なニュアンスや言語特有の表現を適切に再現することが難しい場合があるため、訪問者が期待する体験が十分に満たされないことも考えられる。
音声合成サービスの導入により、万博における国際交流の促進や訪問者体験の向上が期待される。多言語対応の音声案内は、言語の壁を越えて情報を伝達する手段として有効であり、訪問者がより快適に万博を楽しむことができる環境づくりに貢献すると考えられる。
NTT西日本の音声合成サービスは、万博の成功に寄与するだけでなく、今後の観光業界全体においても新たなスタンダードを築く可能性を秘めているだろう。今後の活用に注目したい。
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