中学生の生成AI利用が親を上回る 家庭内デジタル格差の実態

2025年2月18日にNTTドコモのモバイル社会研究所が発表した調査によると、中学生の生成AI利用率は13.3%に達し、親の利用率9.0%を上回った。前年から大幅に増加しており、子ども世代が新しい技術を積極的に活用していることが明らかになった。
一方で、親が子に生成AIの使用を教えるケースが少なく、家庭内でのデジタル格差が浮き彫りになっている。

中学生の生成AI利用が急増 親世代との意識差が明確に

今回の調査は2024年11月に全国の小中学生とその親を対象に実施され、1300件の回答が集まった。
結果として中学生の13.3%が生成AIを利用していることが判明し、前年から10ポイント以上の増加を示した。一方、親の利用率は9.0%にとどまり、親子での共同利用はわずか2%に過ぎなかった。

生成AIの利用目的については学習や遊びが中心であり、特定の用途に限定されていないことが特徴だ。中学生は新しい技術を迅速に受け入れる傾向が強く、学校外の学習補助として活用する例も増えている。対照的に親世代の利用率が低いことから、技術への理解度や関心に世代間の差があると推察される。

こうした結果は親が生成AIの活用方法を十分に認識していないことを示唆している。教育の場でデジタル技術の導入が進む中、家庭での技術理解が追いついていない現状が明らかになった形だ。

家庭内デジタル格差の拡大 教育機会への影響とは 

家庭内にデジタル格差があることは、教育機会にも影響を及ぼす可能性がある。
生成AIを活用できる環境にある子どもは、学習の補助ツールとして有利な立場にあるが、親の理解が不十分な家庭では活用の機会が制限される。この格差は将来的に学習成果やキャリア形成においても影響を及ぼす可能性がある。

政府や教育機関はこの格差を是正するための取り組みを進めている。
文部科学省は生成AIの活用に関するガイドラインを発表し、教育現場での適切な利用方法を示している。しかし、家庭レベルでのデジタル教育支援が不足しているため、親向けの学習機会やサポート体制の充実も必要となるだろう。

今後生成AIの活用が進む中では、教育機関だけでなく家庭での技術理解を深めることが重要になってくると考えられる。デジタル格差を埋めるための取り組みが、今後の教育方針の鍵となるのではないだろうか。

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