Metaが進める数十億ドル規模の投資 世界最長級5万キロの海底ケーブル構想「Project Waterworth」
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2025年2月に海外で発表されたMetaの新計画「Project Waterworth」は、総延長およそ5万キロメートルの海底ケーブルを敷設して米国、インド、ブラジルなどを結び、通信インフラとAIの普及を大幅に前進させる狙いがある。
世界規模のインフラ強化を目指す背景
「Project Waterworth」の第一の目的は、高速かつ安定した国際通信を可能にするデジタル基盤の整備にある。海底ケーブル(※)は、現在も世界中のインターネット通信の大半を担っており、途絶や損傷が起きれば多大な経済的被害をもたらす恐れがあるため、その信頼性をいかに高めるかが国際的な課題となってきた。
Metaが総延長五万キロメートルにも及ぶ巨大プロジェクトに乗り出した背景には、FacebookやInstagramといった自社サービスを支える大容量回線の確保に加え、AI技術のさらなる普及に必要不可欠な高速伝送路の確立が挙げられる。
膨大なデータを扱うAIの運用には、従来以上の帯域幅と安定性が要求されるため、この新たな海底ケーブルが大きな役割を果たすと考えられる。
さらに同プロジェクトは、投資総額が数十億ドル規模にのぼり、複数年をかけて進められる計画だ。世界五大陸を結ぶことで、大規模な経済圏を支える通信網が強化され、情報格差の是正につながる点も見逃せない。特にインドやブラジルなど、急成長を遂げる地域にとっては通信インフラの拡充が持つ意味は大きいと言える。経済活動においてもデジタルネットワークは必須であり、海底ケーブルの信頼性が高まるほど国際的なビジネス連携はより活発化するだろう。
深海技術とAIの融合がもたらす未来への展望
「Project Waterworth」は最大深度七千メートルもの深海域にケーブルを設置し、リスクの高い浅瀬では埋設技術を強化して船舶からの損傷を避ける設計が進行中だ。24ファイバーペアの高容量設計は、世界最長級のケーブルとしての潜在能力を示唆しており、いわば次世代のAIインフラを支える心臓部になると予想されている。
今後AIサービスが高度化するにつれ、画像認識や音声解析などで取り扱われるデータ量が劇的に増大すると考えられるため、この大容量通信網は不可欠だろう。
また海底ケーブルには地政学的な側面もあり、各国がデジタル接続性を確保するために競合や協調を進める要因となってきた。Metaのプロジェクトはそうした国際的な環境下で推進されているため、実現すれば政治や経済、そして学術面まで多方面に影響を与える見通しだ。広大な範囲をつなぐ回線が完成すれば、従来の通信遅延やネットワーク障害が緩和され、世界規模でのAI研究開発がさらに加速するのではないだろうか。
革新的なテクノロジーが広がる未来に向け、海底というアプローチが今まさに注目を集めている。
※海底ケーブル:海底に敷設して大陸間の通信を行う光ファイバーケーブルの総称
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