災害ボランティアを革新する金沢大学のAIエージェント 参加者不足を解消へ
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2025年2月17日に日本国内で公表された最新情報として、金沢大学が災害ボランティア活動を支援するAIエージェントを開発した。地域復興と防災力強化に大きく貢献すると期待されている。
背景とAIエージェント開発の狙い
能登半島地震や豪雨災害など、近年国内で相次いだ自然災害により被災地の復旧や復興は急務となっている。とりわけ災害ボランティア活動に参加する人数の不足が深刻化しており、ボランティア団体が十分に機能しないケースも少なくないという。
内閣府が実施した調査では「活動に必要な情報が得られない」という理由が参加率を下げる大きな要因と指摘されている。こうした現状を打開するため、金沢大学の学生と教員が中心となって開発したのが災害ボランティア支援AIエージェントだ。
同エージェントは、災害時にボランティアが直面する課題を多角的にサポートする仕組みとして機能している。たとえばLINEでの簡易問い合わせを通じて、安全対策や必要となる準備物に関する詳細を自動で案内する。
さらに、16性格診断(※)を応用して利用者の個性を把握し、外向的な人には対人支援を、内向的な人には事務手続きのサポートを提案するなど、それぞれの適性に合った活動方法を提示する点が大きな特徴だ。従来型のマニュアルや掲示板ベースの情報提供とは異なり、対話形式で個人の疑問を解消できるため、初心者にとってのハードルも下がると考えられる。こうした取り組みが実用化された背景には、災害時の総合的な防災力を高めようという地域社会の強い要望があるのだろう。
実証実験と今後の展開
今回のAIエージェントが実際のボランティア参加をどの程度促進するかを検証するため、金沢大学が中心となって2024年末に実証実験を行った。その結果、参加者の81%が「初心者の不安を緩和するのに大いに役立った」と回答し、85%が「他の人にもこのツールを勧めたい」と高く評価した。
従来、ボランティア活動の現場では情報取得の手間や戸惑いが大きく、経験のない人が参加をためらう傾向が強かったとされる。今回の実験成果は、その課題を大きく改善できる可能性を示唆しているとみられる。
今後は他地域でも同様の支援ツールとして導入する計画が進行中で、デジタルインフラの一環として全国的に展開する可能性も指摘されている。災害ボランティアの参加率を高め、防災力を全体的に引き上げる取り組みとして、ますます注目を集めそうだ。
※16性格診断:個人の性格特性を、外向性や直感・思考など複数の観点から分析し、全16種類に分類する心理テストを指す。MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)を元に開発された。
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