ソフトバンクグループ、24年10〜12月期3691億円の赤字もAI事業へ積極推進
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ソフトバンクグループ(SBG)が12日、2024年4〜12月期の連結決算を発表した。
売上高は5兆3025億円、最終利益は6361億円と、この期としては3年ぶりの黒字となった。
一方で、2024年10〜12月期は3691億円の赤字を計上した。
しかし、同社はこの状況下でもAI分野への投資を加速させている。OpenAIとの提携強化や、5000億ドル規模の「スターゲート・プロジェクト」に代表されるAIインフラ整備を推進し、将来的な成長を見据えている。
AI分野への積極的な投資とその背景
ソフトバンクグループにおける2024年10〜12月期の赤字の主な要因は、ビジョン・ファンドが保有するCoupangやDidiといった公開企業の評価額下落と、為替差損によるものだ。しかし、SBGはこの厳しい状況の中でも、AI分野への投資を積極的に進めている。
特に、OpenAIとの提携強化は、生成AI技術の開発・活用を推進する戦略の一環として位置づけられている。
さらに、同社は米国でのAIインフラ整備を目的に「スターゲート・プロジェクト」を発表。このプロジェクトには今後4年間で5000億ドル(約77兆円)が投じられる計画だ。
SBG自身の出資比率は10〜20%と見込まれ、残りは外部投資家の参加を前提としている。
さらに、SBGはOpenAIとの合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立し、企業向けの最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」の開発・販売を開始する。 このAIは、企業のシステムやデータを安全に統合し、専用にカスタマイズされたAIエージェントを提供するもので、業務効率化や意思決定の支援を目的としている。
SBGは、グループ全体でこのAIを導入し、年間約4500億円を投じて1億以上のタスクを自動化する計画だ。
大規模投資の背景には、AI技術の進化が今後のビジネスに与える影響を見越し、早期に主導権を握る狙いがある。AIを活用した新たなビジネスモデルの構築や、次世代社会インフラの整備はSBGの長期戦略の柱と位置付けられている。
財務リスクと競争環境の課題
しかし、AI分野への巨額投資には大きなリスクも伴う。特に、SBGは借り入れを中心とした資金調達を計画しており、その返済負担が将来的な収益に与える影響は無視できない。
AI分野の市場競争は激化しており、想定したリターンを確保できるかは不透明だ。
また、AI市場は競争が激しく、米国のテクノロジー企業だけでなく、中国の「DeepSeek」などオープンソースAIモデルを活用したプレイヤーの台頭も脅威となっている。このような状況下でSBGが競争優位を維持するためには、継続的な投資と技術革新が不可欠であり、資金繰りの管理がさらに重要になってくるだろう。
孫正義氏は、AI革命を次世代の成長エンジンと位置付けており、その実現に強い意欲を見せている。しかし、過去の投資失敗例(WeWork)もあり、投資家の慎重な視線も存在する。これらの取り組みが成功すれば、SBGはAIを軸に社会インフラ企業へと進化する可能性を秘めているが、その実現には多くの課題が待ち構えている。
SBGのAI戦略は、日本企業のAI活用の遅れを打破し、国内産業の競争力向上に寄与する可能性がある。
しかし、それを実現するには財務リスクの管理や、技術革新に対する持続的な投資が不可欠だ。同社の今後の動向から目が離せない。
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