Chat GPTのオープンAI、数カ月内に独自のAIチップを設計、台湾TSMCに生産依頼
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2024年2月、オープンAIが独自AIチップの設計を数カ月内に完了させ、台湾の半導体メーカーTSMCに生産を依頼する計画であることが明らかになった。
同社はNVIDIAへの依存を軽減するため、米半導体企業ブロードコムと共同で専用チップ(ASIC)を開発している。チップ生産とテストは年内を予定しており、2026年に本格生産することを目指している。
AI市場の競争激化とオープンAIの戦略
AI市場において、AI開発企業はNVIDIA社のGPUに依存してきた。
オープンAIも同様に、NVIDIA製チップを活用してきたが、昨今のAI需要急増による供給の不安定さやコストの高騰が課題となり、独自チップの開発が避けられない状況になった。
そこでオープンAIは、ブロードコムと協力し、オーダーメードのAIチップ設計に着手した。
ASIC(特定用途向け集積回路)(※)であるこのチップは、同社のAIモデルに最適化されており、高効率な処理を可能にする見込みだ。
現在、設計チームは40人以上に増員され、オーダーメード型AIチップ制作に詳しいリチャード・ホ氏も参画しているようだ。
設計完了後、TSMCへ製造を委託し、年末までに初の試作チップを生産・テストする予定となっている。
AIチップ市場では、GoogleがTPU(Tensor Processing Unit)を開発し、MetaやMicrosoftも独自チップの研究を進めている。オープンAIの今回の動きも、この流れの一環と捉えられる。独自チップの確保によって、自社AIの開発スピードを向上させ、将来的な供給リスクを低減する狙いがあるのは明白だ。
※ASIC(Application-Specific Integrated Circuit):汎用GPUと比べ、特定の処理に最適化されるため、高性能かつ省電力な演算が可能。
チップ開発のコストと今後の展望
オープンAIの独自チップ開発には莫大なコストがかかると考えられる。
設計費だけで約5億ドル(約750億円)とされ、周辺機器や開発環境を含めるとさらに増加する可能性がある。また、設計が完了しても、実際の生産には追加の費用が発生する。
特に、半導体の設計データを製造ラインに送る「テーピングアウト(※)」は、一般的に数千万ドル規模のコストが必要だ。急行料金を支払わない場合、実際のチップが手元に届くまで約6カ月かかるとされている。
オープンAIは2026年の量産を目標としているが、開発スケジュールの遅延や製造上の課題が発生する可能性も否定できない。
チップが完成すれば、オープンAIのAIモデルの性能向上が期待される一方、同社のビジネスモデルにも大きな影響を与える。NVIDIAへの依存を減らすことで、コスト削減と供給の安定化を図れるが、自社チップの開発・運用コストが継続的に発生するため、最終的な収益性がどうなるかは未知数だ。
現在、AI市場は大手企業による独自チップ開発が加速しているため、オープンAIの動向は業界全体の競争環境を大きく変える可能性がある。今後の進展が注目される。
※テーピングアウト(Tape-out):設計が完了し、実際にシリコン上に製造される段階へ移行することを指す。通常、設計変更が難しくなるため、最終調整が重要となる。
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