AIアートオークションに芸術家が反発 著作権と創造性を巡る論争
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2025年2月7日、英国の大手オークションハウスのChristie’s(クリスティーズ)が、AIアート専門オークション「Augmented Intelligence」を2月20日から3月5日にかけて開催すると発表した。AIを活用したアート作品のみを出品する世界初の試みだ。しかし、一部の芸術家からは著作権侵害の懸念が指摘され、中止を求める声も上がっている。
AIアートオークションの概要と注目作品
クリスティーズが主催する「Augmented Intelligence」は、AIによって生み出されたアート作品のみを扱うオークションであり、オンラインとニューヨークのロックフェラーセンターギャラリーで同時開催される。出品されるのは20点以上の作品で、デジタルアート、彫刻、アクリル画、油絵、インク画など、多岐にわたる。
同オークションには、AIアート界を代表するアーティストが多数参加する。
注目作品のひとつに、Pindar Van Armanの「Emerging Faces of the 2017」シリーズがある。この作品は、AIが人間の顔を自律的に生成するプロセスを探求したもので、推定価格は18万~25万ドルとされる。
また、Holly Herndon & Mat Dryhurstの「Embedding Study 1&2」も注目を集めている。この作品は、AIのアルゴリズムがアイデンティティやパターンをどのように解釈するかを探る実験的なもので、7万~9万ドルの価格が見込まれている。
さらに、Alexander Rebenの「Untitled Robot Painting」は、生成AIをライブパフォーマンスに変え、オークション主導のプロセスを通じて絵画がリアルタイムで展開される作品となっている。入札価格は100ドルから始まり、入札額が上がるにつれてロボットはキャンバスに絵を描いていく。追加される絵が価格の上昇に比例する仕組みだ。
芸術家の反発とAIアートの展望
AIアートの台頭は、新たな市場の形成を促す一方で、伝統的な芸術家から強い反発を受けている。
最大の懸念点は、AIが訓練に使用したデータの出所だ。一部の芸術家は、AIが著作権のある作品を無断で学習し、それを基に生成されたアートが販売されることに異議を唱えている。これがアーティストの権利侵害につながる可能性があるため、オークションの中止を求める声が高まっている。
これに対し、クリスティーズ側は「出品されるアーティストは自身のデータを用いてAIモデルを訓練しており、無断利用の問題は限定的だ」と主張している。また、AIはアーティストの創造性を拡張するツールであり、人間の芸術家を置き換えるものではないと強調する。
このオークションは、AIアートの価値評価だけでなく、著作権の在り方やAIと人間の創造性の共存についての議論を深める契機となるだろう。AIアートが市場においてどのような地位を確立し、法整備がどのように進められるのか、今後の動向が注視される。
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