AIを利用して難病治療の新薬を開発 AIは今後の医療をどう変えるのか

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医療分野におけるAI活用が、新たな段階に入っている。
2024年12月11日、香港のバイオテクノロジー企業Insilico Medicineは、生成AI技術を活用して難病である炎症性腸疾患(IBD)の新薬開発に向けた試験に成功したことを発表した。従来数年を要した新薬開発プロセスが12か月未満に短縮されるなど、AIによる医療革新は、より効率的な治療法の開発を可能にしている。
最近では、2025年1月23日にも、医療へのAIの活用への明るい見通しを示すレポートが発表された(https://www.beckershospitalreview.com/ai/whats-next-for-healthcare-ai-in-2025.html)。医療分野でのAI活用は、新薬開発にとどまらず、今後さらに進化していく見通しだ。

目次

生成AIで加速する難病治療薬の開発

Insilico Medicineは、独自の生成AI技術を用いて、IBD治療に特化した新薬の候補物質を開発し、前臨床試験で有望な結果が得られた。同社が開発した分子は、腸内のみで作用し血流に入らない特性を持つ。
これにより、従来の治療薬で懸念されていた心血管系への副作用や腫瘍形成のリスクを大幅に低減することが可能となった。同社のアレックス・ジャボロンコフCEOによると、生成AIプラットフォーム「Chemistry42」を活用することで、複数のパラメータを同時に最適化しながら、理想的な特性を持つ分子を設計することができたという。

IBD (炎症性腸疾患)は、主に腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こす疾患の総称で、腹痛や下痢などの症状を引き起こし、日本では指定難病とされている。近年患者数が増加傾向にあり、2019年の時点で、世界のIBD患者数は約490万人と言われ、国内にも29万人いると推定される。

そのような状況の中で、IBD治療薬の世界市場は2022年時点で202億ドル規模であり、2032年までに350億ドル以上に成長すると予測されている。新薬開発におけるAI活用によって、この成長市場において新たな治療法を生み出す可能性が生まれたことになる。

医療現場を変える自律型AIの可能性

医療分野におけるAI活用は、新薬開発にとどまらず、医療のより広い分野においても導入が進行している。特に、自律型のAIにより、今後医療が効率化していく可能性がある。

2025年1月25日に発表されたレポートによると、UC Davis HealthのチーフAIアドバイザー、デニス・チョルネンキー氏は、2025年に向けた医療AI進化の主要トレンドとして、自律型AIエージェントの台頭を挙げている。生成AIはデータから新たなコンテンツを生成する技術だが、自律型AIはさらに自己判断や連携動作が可能であり、複数の情報ソースを統合し高度な意思決定を行うことができる。

特に期待されているのは、AIエージェントによる業務効率化だ。チョルネンキー氏によると、このシステムは従来初級レベルの専門家が担当していた業務の一部を自動化できる可能性があるとのこと。たとえば、医療請求の処理や保険会社とのコミュニケーションなどの業務において、AIエージェントの活用が期待できる。

指摘されたリスク

ただし、その導入には適切な運用と安全性確保が不可欠だ。
チョルネンキー氏は、AIエージェント同士の相互作用が薬物相互作用に似た新しいリスクをもたらす可能性を指摘している。複数のAIエージェントが互いに影響を及ぼし合うことで予期せぬ結果を生む可能性があるため、従来のAIガバナンスとは異なる新たなリスク管理の枠組みが必要とされている。生成AIと自律型AIエージェントの活用領域は重なる部分もあり、新薬開発でも複数のAIが並行して用いられる可能性がある。そうした場面では、AI間の相互作用リスク管理も求められるだろう。

まとめ

新薬開発の効率化や、医療事務・保険対応の自動化など、AIは医療分野に具体的な変革をもたらしつつある。Insilico Medicineの事例は、生成AI技術による新薬開発の効率化を実証し、医療関係者も、AI活用による効率化には明るい見通しを示している。今後は、AIシステムと医療従事者の役割分担を明確にしながら、効果的な導入と活用を進めていくことが重要となるだろう。

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