トランプ氏の78兆円AIインフラ投資がテック株を押し上げる 一方、マスク氏とアルトマン氏の対立は不安要素に
2025年1月22日、米トランプ大統領は総額5000億ドル(約78兆円)規模のAIインフラ投資計画「Stargateプロジェクト」を発表した。この計画には、OpenAI、Oracle、ソフトバンク、UAE政府系ファンドMGXの4社が参画する。この巨額投資により、米国内で10万人規模の新規雇用が創出される見込みだ。発表を受け、Oracle株が7%上昇するなど、テック株全体が活発化している。
一方で、テック業界の大物であるイーロン・マスク氏とサム・アルトマン氏の論争が、先行きの不透明さを露呈させている。
78兆円規模のAIインフラ投資がもたらす影響
Stargateプロジェクトの第一弾として、テキサス州アビリーンでデータセンターの建設が既に始まっている。Oracleのラリー・エリソン最高技術責任者によると、10棟の建設が進行中で、最終的には20棟のデータセンターを完成させる計画だ。初期投資として1000億ドルが投入され、4年間で総額5000億ドルに達する段階的な投資スケジュールとなっている。
この発表により、AI関連企業の株価は大幅に上昇した。Oracleの株価が7%上昇したほか、AIチップ最大手のNvidiaが2%、省電力チップ設計で注目されるARM Holdingsが4%上昇した。AIの演算処理には大規模なデータセンターが不可欠であり、その建設と運営のためには半導体やシステム基盤の需要が急増すると見込まれる。これにより、関連企業は大きな収益を挙げると予想されているのだ。
Mizuhoのアナリスト、シティ・パニグラヒ氏は「この巨大インフラ計画において、Oracleは基幹システムの主要プロバイダーとなる可能性が高く、これは同社にとって重要な成長機会となる」と分析している。
マスク氏とアルトマン氏の論争、資金調達の実現性めぐり緊張関係に
一方、このプロジェクトには不安要素も存在する。トランプ大統領の主要アドバイザーであり、OpenAIの元役員でもあるイーロン・マスク氏は、計画の実現可能性に疑問を呈している。マスク氏はSNS上で「参加している企業は、実際にはその資金を持っていない」と指摘し、「ソフトバンクが確保している資金は100億ドルを大きく下回る」と主張した。
これに対し、OpenAIのサム・アルトマンCEOは「それは事実ではない」と反論し、「すでに建設が始まった現場を視察してみないか」と応じた。また、「このプロジェクトは国益に資するものだ。あなたが新しい役職に就いた今、米国を第一に考えてほしい」と述べ、マスク氏の発言を真っ向から否定した。
まとめ
今回のStargateプロジェクトの発表により、テック系企業の株価は大きく上昇し、業界全体が活況を呈している。しかし、資金調達の実現性を巡る議論や主要人物間の対立といった課題が残っている。今後、この計画が順調に進むかどうかは慎重に見極める必要がありそうだ。
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