ソフトバンクも参画　トランプ大統領、AIインフラに5000億ドル(77兆8,293億円)もの投資を発表

2025-01-222025-01-23

Web3領域に特化した無料キャリア相談

Web3で働きたい人材と優良企業をマッチングする求人サービスを行っています！
お気軽に「無料キャリア相談」をご利用ください！

キーワードで求人企業を探す

巨額の投資が発表された。トランプ大統領は2025年1月21日、OpenAI、ソフトバンク、オラクルの3社による、総額5000億ドル（約77兆8,293億円）規模のAIインフラ投資計画を発表した。トランプ大統領の呼びかけに民間企業が応じ、この投資額を達成した。

この投資規模は、2024年3月に報じられたOpenAIとMicrosoftによる1000億ドル規模のデータセンタープロジェクトの5倍にもなる。この巨大プロジェクトは、次世代AI開発の基盤となるデータセンター網の構築を目指すものであり、米国のAI覇権維持に向けた動きの一つと言える。

米国AI競争力強化へ、20か所の巨大データセンター構築

プロジェクトの中核を担うのは、OpenAI、ソフトバンク、オラクル3社による合弁会社「Stargate」である。同社は今後4年間で、それぞれ約46,000〜93,000㎡という大規模のデータセンターを全米20か所に建設する計画だ。オラクルのラリー・エリソン会長によると、テキサス州ですでに第一号施設の建設が開始されているとのこと。データセンターを利用することで、医療記録の分析による個別化医療の実現や、複雑な科学計算による新薬開発の加速など、膨大な計算能力を必要とする次世代AI技術の実用化が可能になるという。

ソフトバンクの孫正義CEOは、このプロジェクトにおいて財務面での責任を担う。OpenAIのサム・アルトマンCEOは運営責任者として、人工知能開発の技術的側面を主導する。オラクルは自社の持つデータセンター運営のノウハウを活かし、インフラ整備を担当する構造となっている。

このデータセンターが計画通り完成すれば、高度なAIのために必要な処理能力が実現するという。現在のAIでは不可能な複雑なタスクの処理や、より自然な対話、高度な問題解決などが期待されている。初期投資として1000億ドルが投じられ、残りの4000億ドルは今後4年間で段階的に投資される予定だ。

次世代AI開発を巡る世界規模の主導権争い

このプロジェクトでは、ソフトバンクが財務面での主要な役割を担うことになった。孫正義CEOは「トランプ氏の勝利なくしてはこの決断はなかった」と述べ、米国のAI開発体制への強い期待を示している。さらにOpenAIのサム・アルトマンCEOは、より高度な人工知能である「AGI（Artificial General Intelligence、汎用人工知能）」を開発するために、このインフラ整備が重要であると述べた。

プロジェクトの発表を受け、オラクルの株価は7%上昇。さらにNvidia、Arm Holdings、Dellなど、AI関連企業の株価も連れ高となった。市場がこのプロジェクトに寄せる期待の大きさを示している。

このプロジェクトの狙いについて、オラクルは「米国のAIリーダーシップを確保し、同盟国の国家安全保障を保護する」と声明を出している。ライバル国との技術覇権競争を意識した発言と解釈できる。

まとめ

このStargateプロジェクトは、巨額の投資であるというだけでなく、ライバル国との競争という戦略的な意義も持っている。OpenAIのホワイトペーパーによると、グローバルファンドには約1750億ドルのAIプロジェクト向け投資資金が待機しているという。この資金を米国に呼び込むことは、ライバル国との技術覇権競争において極めて重要な意味を持つ。

このプロジェクトの完成により、自動運転技術の高度化や気候変動予測の精緻化、新素材開発の加速など、社会に大きな変革をもたらす可能性もある。トランプ大統領のAIに対する積極的な動きには、これからも注視していく必要があるだろう。