ゲイリー・ゲンスラー氏のSEC退任がXRPに与える影響
2025年1月20日をもって、米証券取引委員会(SEC)議長のゲイリー・ゲンスラー氏が退任する。
ゲンスラー氏は、仮想通貨市場のリスクを強く意識し、規制強化に積極的な姿勢を示してきた。そのため、彼が退任することで、仮想通貨市場全体に大きな影響を与える可能性がある。
本記事では特に、リップル社(Ripple)が発行するXRPに与える影響を考察、解説する。
ゲイリー・ゲンスラー氏とXRPの関係
リップル社(Ripple)が発行するXRPを巡る法廷闘争は、ゲンスラー氏の下でのSECの主要な焦点の1つであった。
SECは2020年12月、リップル社が未登録証券であるXRPを販売したとして提訴した。この訴訟は、XRPが証券に該当するか否かを巡る歴史的な議論を巻き起こし、仮想通貨業界全体に大きな波紋を広げた。
2023年7月、リップル社側に有利な部分的な裁定が下されたものの、SECは引き続きリップルに対して法的な圧力をかけている。
ゲンスラー氏は、仮想通貨全般を厳しく規制しようとする立場を取り、XRPに関しても「証券性」を強調してきた。この姿勢が市場全体の不透明感や不安を増大させ、XRPの価格と取引量に影響を与えてきた。
ゲンスラー退任の可能性とXRPへの影響
ゲンスラー氏の退任は、SECの仮想通貨に対するスタンスの変化をもたらす可能性がある。SECは、議長の方針に大きく左右される組織であるため、議長の交代は、規制の方向性を変える可能性が高い。
具体的には、XRP市場には次のような影響が予想される。
1. XRPに対するSECの姿勢の緩和
ゲンスラー氏は仮想通貨業界に対し「規制先行型」のアプローチを取っていたが、後任者がより「産業振興型」のアプローチを採用する可能性がある。具体的には、仮想通貨企業との対話を重視し、規制の柔軟性や透明性を高める政策だ。
この場合、リップル社との訴訟の早期解決や、SECが仮想通貨業界と和解を模索する姿勢が期待される。
2. 市場心理の改善
ゲンスラー氏の強硬路線が仮想通貨市場全体に与えていたネガティブな影響が薄れることで、投資家心理が改善し、XRPの価格上昇につながる可能性がある。
特に、規制リスクが低減されるという安心感から、機関投資家や個人投資家の新規参入が促され、XRPの需要が高まることが予想される。
3. 訴訟の影響が薄れる可能性
仮にSECの新しい指導者が訴訟の継続を再考する場合、リップル社とSECの法廷闘争が和解へと向かう可能性がある。これにより、XRPに対する法的な不確実性が解消され、機関投資家や大手取引所の参入障壁が低くなることで、市場の流動性や取引量が回復するだろう。
XRPへのリスクは完全に消えない
ゲンスラー氏の退任が仮想通貨業界全体にプラスの影響を与える可能性がある一方で、XRPを取り巻くリスクが完全に解消されるわけではない。
たとえば、SECの新体制が依然としてXRPを証券とみなす立場を取る場合、法的な課題は続く。また、金融活動作業部会(FATF)や主要国の金融規制当局が、XRPに対する規制強化を打ち出す可能性もあるため、国際的な規制の動向にも注視する必要がある。
まとめ
ゲイリー・ゲンスラー氏の退任は、XRPにとって市場心理の改善や規制緩和への期待をもたらす可能性がある。しかし、リップル社との訴訟や仮想通貨業界全体を取り巻く規制環境には依然として多くの不確実性が残る。
投資家は、SECの新体制が、仮想通貨業界とどのように向き合っていくのか、特にXRPに対する規制方針に注目する必要がある。また、国際的な規制動向にも目を配り、慎重なリスク管理を行うことが重要である。
XRP市場が再び成長軌道に乗るかどうかは、SECの新体制の方針と、その他の規制動向次第だろう。
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