富士フイルム、2030年に向けた成長計画を発表。IT・AI戦略で業界に挑戦状か。

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富士フイルムビジネスイノベーションは、2025年の年頭所感で、IT・AIを新たな成長の中核要素とする方針を発表した。2030年度までにソリューション・サービス関連の売上高7,000億円以上を目指し、富士フイルムグループ独自のIT・AI技術アセットを活用した提供価値のさらなる向上を図る考えだ。ビジネスソリューション、オフィスソリューション、グラフィックコミュニケーションの各事業における競争力強化を目的としており、グループ全体のDX戦略とも連動している。

目次

IT・AIを軸とした成長戦略の展開

富士フイルムビジネスイノベーションの代表取締役社長・CEO浜直樹氏は、2025年1月7日の年頭所感において、IT・AIを新たな成長の中核要素とする方針を明らかにした。

同社が掲げる2030年度におけるソリューション・サービス関連の売上高7,000億円以上という目標達成に向けた重要な一歩となる。

2024年は、欧米市場でのオフィス向け複合機の本格販売開始や、オランダにおける「Circular Manufacturing Center」開設など、グローバル展開を加速させた。さらに、ビジネスソリューション事業の強化にも注力しており、クラウドサービスのワンストップ提供会社の設立や、M&Aを通じた基幹ソリューション提供体制の強化を目指す。

富士フイルムグループの技術力を活かした戦略展開

浜社長は、富士フイルムグループが保有する独自のIT・AI技術アセットを活用し、提供価値の拡大を重要な成長戦略として位置付けた。

ビジネスソリューション事業、オフィスソリューション事業、グラフィックコミュニケーション事業の各分野において、IT・AIを製品・サービスに実装することで競争力を高める方針を掲げている。

この戦略は、富士フイルムホールディングス(HD)が推進するDXビジョンとも密接に連動した動きだ。富士フイルムHDは、2021年に策定したDXビジョンの進捗を発表し、生成AIの活用などを通じて、各分野でのDX化をさらに推進していることを明らかにした。

富士フイルムビジネスイノベーションは、グループ全体のビジネス基盤を活用してシナジーを最大化し、「ビジネスイノベーションパートナー」としての飛躍を目指す。

同社は、価値ある製品・サービスを提供することで、グループパーパスである「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」の実現に貢献していく考えを示している。

今回発表された戦略は、富士フイルムホールディングス(HD)が掲げる2030年度の売上高目標1兆3,000億円超のうち、ソリューションおよびサービス関連で7,000億円を目指すという目標と整合している。IT・AIを活用した成長戦略が、この目標達成に向けた重要な役割を果たすことが期待されるだろう。

本情報は日本国内を対象としており、富士フイルムビジネスイノベーションの今後の事業展開に大きな影響を与える重要な方針転換といえる。この戦略の成否は、日本のIT・AI産業の発展にも波及する可能性があり、今後の動向に注目が集まっている。

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