【シンプレクス株式会社】 エグゼクティブプリンシパル 三浦様へインタビュー|Biz×Techでweb3の新たな価値を創出する!
シンプレクス株式会社(以下、シンプレクス)は、Biz×Techを掲げ、暗号資産やNFTといったweb3を活用した新たなユースケースの創出に取り組んでいます。
同社は、金融クオリティで企画から運用保守までを一気通貫で対応し、暗号資産取引システムやNFTウォレット等のweb3関連プロジェクトで多くの実績を積んできました。また、web3という新たな市場で価値を生む取り組みを行いながら、エンジニアリングの幅や深さを磨き、多様なキャリアパスを提供する点でも話題を集めています。
今回は、シンプレクスのエグゼクティブプリンシパルである三浦様に取り組み内容やソリューションについて詳しくお話を伺いました。
グループ全体で創るBiz×Techの価値創造
ーーまず初めに会社概要について教えてください。
三浦「シンプレクスは、代表の金子を含め外資系の金融機関にいたメンバーがスピンアウトして設立した会社です。外資系で培った金融とテクノロジーを掛け合わせたノウハウを活かし、金融のリスク計算分野に強みを持ってスタートしました。その後、金融機関から事業領域を広げ、直近ではweb3など金融以外の分野にも挑戦しています。」
ーー事業内容についても教えてください。
三浦「シンプレクスは、シンプレクス・ホールディングスの傘下にある三つの会社の一つで、Biz×Techを掲げテックファームとして主にソリューションの提供を担当しています。当社の特徴は、単なるシステム構築にとどまらず、お客様の課題を深く理解し、どんなソリューションを創るべきかを一緒に考え実現するところにあります。さらに運用や保守、継続的な改善にも取り組むことで、長期的な支援を行っています。」
ーーグループ会社の取り組みについても教えてください。
三浦「Xspear Consulting株式会社(クロスピア コンサルティング)は、コンサルティングに特化した企業であり、特に最上流のサービス設計を行うために立ち上げられました。また、Deep Percept株式会社(ディープ パーセプト)はAIエンジンやモデルの研究開発に特化した会社で、R&Dやナレッジ蓄積を進めています。そして、シンプレクスにはAlceoというサービスデザインやUX設計を担当するチームもあり、サービス全体の設計を担っています。」
ーー三浦様はこれまでのどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。
三浦「新卒で入社した当初は、主にFXの領域で、円やドルの売買を行う金融システムを開発していました。FX業者が一般投資家から得る収益を裏側で支えている仕組みです。一部では収益連動型の課金モデルを採用し、システムの導入後も、FX業者の収益を最大化するためのアルゴリズムを提案し、実装していました。このDealingシステムをいろんな会社に展開する中で、2020年からはSaaS型で提供しています。この進化したSaaS型のシステムを広げるのが、プロダクトマネージャーとしての大きな仕事の一つです。」
ーー暗号資産やブロックチェーンの領域に取り組むようになった経緯についても教えてください。
三浦「2017年頃から、お客様からビットコインやイーサリアムといった暗号資産を取引するシステムの要望が出てきて、2018年初頭に最初のプロジェクトをリリースしました。ただ、当時はまだブロックチェーンの有用性が広く認知されておらず苦労した部分もあります。その中で、証券とブロックチェーンを組み合わせたSTOという領域で成果が出始め、証券の管理コストを下げることで新しい金融商品を作ることができる仕組みを提供し始めました。」
ーー現在のWeb3関連事業についても教えてください。
三浦「2022年頃からNFTやweb3という言葉が注目を集めるようになり、これまでのブロックチェーン関連事業をWeb3事業としてリブランディングしました。現在は、株式会社アミューズ様のA Walletの取り組みやDigital Entertainment Asset(以下、DEA)様のGameFiのプラットフォームであるPlayMiningの開発を行っています。このweb3領域をさらに広げていくことが、私の重要なミッションです。」
金融のプロフェッショナルが実現するweb3事業企画/開発
ーーシンプレクスが暗号資産交換所向けのシステムに関わり始めた背景を教えてください。
三浦「暗号資産交換所のシステムには、DMMBitcoin様やメルコイン様をはじめ、12社に導入した実績があります。この領域ではウォレットやDealingシステム、エンドユーザーがインターネット経由で取引するためのシステム、さらには口座開設の仕組みまで、幅広いソリューションを提供しています。元々FX領域で培ったノウハウが非常に近しい分野だったため、これを活かして一気に拡大しました。」
ーーブロックチェーン技術への取り組みについて詳しく教えてください。
三浦「暗号資産交換所向けのシステム開発を通じて、ブロックチェーンウォレットの部分に取り組む機会があり、そこでブロックチェーン技術のノウハウを貯めていきました。そのノウハウを活かし、証券会社向けのSTOなど、新しい取り組みへと広げていきました。その後、NFTやゲーム、エンターテインメントといった非金融系の分野にも広がり、JPYCさんとのステーブルコイン取引所やDEAさんとピクトレなどのプロジェクトも進めています。」
ーーシンプレクスの技術的な強みは何ですか。
三浦「プライベートチェーンやパブリックチェーンなど、必要に応じてどんな技術でも活用できる点です。安全性を求められるウォレットの実装なども含め、幅広い対応が可能です。ただし、技術ドリブンではなく、お客様のビジネスが成長するために必要なものを創り上げるBiz×Techの姿勢が私たちの強みです。技術はあくまで手段であり、ビジネスを成功させることが第一と考えています。」
ーーシンプレクスがweb3のビジネスにどのように取り組んでいるのか教えてください。
三浦「web3系のビジネスをお客様と一緒に作り上げていく際には、主に3つのステップがあります。ステップ1では、web3の基本的な理解を深めるために、勉強会や動画を通じて知識提供を行います。ステップ2では、シンプレクス内のweb3専門のメンバーや、より上流のコンサルティングを行うXspear Consultingのメンバーと連携し具体的な企画を考えていきます。ステップ3では、web3プラットフォームであるSimplex Fourthを中心に、ウォレット機能などの共通的な技術を統合しながら、迅速にサービスを構築できる仕組みを提供しています。このプロダクトを活用することで、お客様がブロックチェーン技術と連携したサービスを試しやすくなります。」
ーーシンプレクスのweb3事業の特徴についても教えてください。
三浦「お客様ごとに必要なスキルセットを持ったメンバーでチームを組成し、プロフェッショナルサービスを提供している点です。ベースとなるパッケージを持ちながら、個別のカスタマイズに対応する形で、効率的かつ独自性のあるサービスを創り上げています。たとえば、暗号資産交換所のシステムやエンドユーザーが利用する部分には各社ごとの特徴を反映させています。DEAさんとのプロジェクトも、このような形で進めた事例の一つです。」
クライアントの課題解決のためのweb3領域におけるトータルソリューション
ーーweb3領域での取り組みを進める際に、どのような姿勢でお客様と関わっていますか。
三浦「web3領域を広げる際には、クライアントと一緒に価値のあるユースケースを創り上げることを大切にしています。例えば、DEAさんやJPYCさんの案件では、単にブロックチェーン技術を使うことが目的ではなく、ビジネス的に価値があり、エンドユーザーにとって意味のあるものを提供することを目指しています。一つでも可能性が見えるものがあれば、その枠組みをさらに広げ、他の企業様とも連携しながら新しいサービスを考えていく形を取っています。」
ーーweb3のユースケースについて、現在の状況や課題をどのように見ていますでしょうか。
三浦「最近では、web3を活用した具体的なユースケースが少しずつ出てきていますが、まだ難しい部分も多くあるのは確かです。web3におけるトークンにより新たなインセンティブを生むことができる一方で、使い道や利用先を増やし、サービス間の横連携を強化する必要があります。この点が本格的に進むにはまだ時間がかかりますが、今はその前段階として、いろんな企業様とファーストステップとなる取り組みを進めているところです。これが将来的なweb3の発展に向けた土台になると考えています。」
ーーweb3開発力を持つ企業が増える中で、シンプレクス株式会社の差別化ポイントはどのような点でしょうか。
三浦「トータルのソリューション力にあります。グループ全体で、コンサルティングからシステム構築、運用保守まで一気通貫で対応できる体制を持っており、上流から下流までお客様と一緒に取り組める点が特徴です。特にブロックチェーン領域では、暗号資産交換所向けのウォレット提供を通じて多くの実績を積んできました。当社のウォレットは、これまで一度も盗難被害がなく、高いセキュリティを維持しています。この実績を基盤とした技術力が差別化の大きな要素だと考えています。」
裁量が大きく多種多様なキャリアパスを実現
ーープロジェクトチームについても教えてください。
三浦「当社のプロジェクトチームは、エンジニアやTechLeadのようなメンバーが中心となっています。プログラムを書けるだけではなく、クライアントの事業を深く理解し、テクノロジーを活用してそのビジネスを成長させることにコミットするエンジニア集団です。また、プロジェクトごとに小さな会社のような形でチームが組成され、プロジェクトマネージャーがスコープ、予算、デリバリーの期限を管理します。クライアントとの折衝や意思決定を担い、クライアントの事業を広げる提案や進行も行います。」
ーープロジェクトマネージャーの裁量や責任について具体的に教えてください。
三浦「プロジェクトマネージャーは、売上やコスト、利益率を管理しながら、どのエンジニアをチームに組み入れるかや育成方針も決定します。また、開発や運用保守に関わる全体のマネジメントを行う一方で、セールスやBizDevの役割も担っています。このように、一般的なプロジェクトマネージャーよりも裁量が大きく、責任も重いポジションです。プロジェクト成功に向けた全体的な戦略を決定する中心的な存在として機能しています。」
ーー情報発信や新規開拓にも取り組んでいるとのことですが、その具体的な活動を教えてください。
三浦「一部のメンバーは情報発信やイベントへの参加を通じて、当社の認知を広げる活動を行っています。PIVOTの動画番組への出演やネットワーキングイベントでのリード獲得もその一環です。また、web3グループではセールス部隊と連携し、新たな顧客ニーズを聞き取り、PoCの提案やソリューション立案も進めています。さらに、R&Dの投資判断やグループ全体の事業計画策定にも関与し、ビジネスを拡大するための活動を行っています。」
PIVOT 三浦様 インタビュー動画:https://youtu.be/HD-S6dQbrUk?si=Fd8I57YSFYvCXfDy
ーーシンプレクスでエンジニアとして働く魅力について教えてください。
三浦「当社の魅力の一つは、エンジニアリングの深さや幅をデザインしながら、希少価値の高いエンジニアとして成長できる点です。web3領域だけでなく、ミッションクリティカルな金融システムなど、大規模かつ複雑なプロジェクトにも取り組むことができます。また、エンジニアとして専門性を深めるルートや、プロジェクト全体をカバーする高い事業貢献を実現するTechLeadの道、さらに全社やグループ目線でエンジニアリング組織の成長に寄与する横断的な役割など、さまざまなキャリアパスが描けます。」
ーーエンジニアリング組織の運営や成長への関わりについても詳しく教えてください。
三浦「当社にはSD(システムデベロップメント)コンピテンシーという横串組織があります。これは開発者たちの横の繋がりを強化し、ナレッジ共有や技術研鑚、人材育成などをする取り組みです。エンジニアは事業部門に所属しながらも、全社的な視点で技術を武器にした取り組みを進めています。例えば、工数の20〜30%を割り当てて全社的な活動を行い、現場の声を自分で体感しながら、その知見を全社に還元します。現場と全社視点の両方を持ちながら活動できる点が、エンジニアとして働く上で非常に大きなやりがいとなっています。」
Biz×Techで価値を創出、web3の挑戦を楽しむメンバーへ
ーーシンプレクスで働く魅力はどのような点にあるのでしょうか。
三浦「当社の魅力は、Biz×Techで価値を生み出すという根源的な部分にあります。web3はこれから広がっていく分野であり、私たちも日々探りながら取り組んでいます。その挑戦自体に魅力を感じる方にとっては、非常に面白い環境だと思います。また、シンプレクスはweb3を始めて間もないですが、徐々にプレゼンスを発揮し始めています。外部での認知向上や新たなソリューションの企画など、やるべきことがたくさんある点もやりがいにつながるはずです。」
ーーWeb3領域で提供する価値について教えてください。
三浦「単なるweb3サービスの駆け出しを超えて、金融業界のクオリティで企画からデザイン、開発、運用保守までを一気通貫で行うことです。これまでに培ったノウハウやアセットを活かし、インフラとして評価されるサービスを提供できます。また、Biz×Techのハイブリッド人材を育成することにも力を入れており、多様なキャリアパスが描ける環境を整えています。web3という文脈の中でも、価値のあるサービスを生み出したい方にはぴったりの職場です。」
ーーweb3技術に関する知識やスキルはどの程度求められるのでしょうか。
三浦「web3技術に特化していないと駄目ということはありません。むしろポテンシャルや、Biz×Techで価値を生み出すという理念に共感していただけることが重要です。たとえweb3技術の経験がなくても、エンジニアとして優秀であれば十分対応可能です。もちろん、web3やブロックチェーン自体に興味がある方や、solidityを書ける方であれば大歓迎ですが、それが必須条件ではありません。」
ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。
三浦「投機を中心とした暗号資産やNFTの熱狂が一段落するなかで、未成熟だったブロックチェーン技術自体は育ってきており、かなり実用段階に入ってきています。一方で、実際に誰でも知っているような価値あるユースケースはまだ生み出せておらず、各社模索が続いている状況と見ています。そして、そんな状況だからこそ、Biz×Techでソリューションを提供してきたシンプレクスの出番だといえます。web3という言葉にまどわされず、クライアントの事業を伸ばしていったら、気づいたらweb3がマスアダプションしている、そんな取り組みを一緒に作っていけたらと思います。」
関連リンク
▼シンプレクス株式会社 HP
https://www.simplex.inc/
▼シンプレクス株式会社 採用ページ
https://recruit.simplex.holdings/
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