地方創生の救世主「Web3」|事例10選&効果・課題を解説
日本は現在、人口減少や都市部への人口流出の問題を抱えていることで、「地方創生」の重要性が説かれるようになりました。
地域活性化のために、岸田政権は「デジタル田園都市国家構想」を打ち出し、「DX×地方創生」による「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」の実現を目指しています。
DXに関する最新技術である「Web3(WEB3.0などの表記方法もあるが、本記事では「Web3」で統一)」は、地方創生を実現する手段として、近年大きな期待を受けています。
本記事では、「地方創生を目指したWeb3の活用事例」を挙げ、その効果や課題を考えます。
「Web3」とは?
本記事の主題である「Web3」を簡単に説明します。
Web3とは、端的に言うと「データを分散管理するインターネットの仕組み」です。
ブロックチェーンというデジタル技術を用いることによって、中央的な組織を介することなく、偽造・改ざんが不可能、かつ透明性・安全性の高いデータ管理を各個人が行えます。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
Web3に関する技術群
Web3に関連性が高い技術として、本記事で扱う用語を簡単に説明します。
NFT:「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略称です。偽造・改ざんが不可能で、所有者が明確化されているデジタルデータを意味します。特に、「画像」のデジタルデータを用いたNFTが多いです。
DAO:「Decentralized Autonomous Organisations(分散型自律組織)」の略称です。経営者など一部の人の意思決定で方針を決める形態とは反対に、参加者全員が意思決定に関わる組織運営の形態です。
メタバース:インターネット上に構築された3次元の仮想空間を指します。ユーザーは自分の「アバター」をメタバース上で操作して、現実世界と同様に他者と交流できます。
日本政府の取り組み
「地方創生」の広がり
「地方創生」は、第2次安倍政権が2014年に発表した「まち・ひと・しごと創生法」にて提唱された言葉です。
「地方の人口減少」、および「東京一極集中」は当時から問題視されており、その問題に歯止めをかけるため、「地方創生」が広く認知され始めました。
地方創生の目標を簡単にまとめると、「自治体・民間企業・住民などの地域の主体者が産業振興策の推進により、人口減少を抑止し、持続可能な社会を形成すること」です。
「デジタル田園都市国家構想」の広がり
「デジタル田園都市国家構想」は、2021年に岸田政権によって発表された構想です。
この構想の目標は、「デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する(内閣官房「デジタル田園都市国家構想」https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/index.htmlより引用)」ことです。
Web3に関する取り組み
日本政府は現在、地方創生へ向けて「Web3」の積極活用を試みています。
「デジタル田園都市国家構想」を受けて、政府は2022年に発表した「経済財政運営と改革の基本方針」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」、「デジタル田園都市国家構想基本方針」、および「デジタル社会の実現に向けた重点計画」にて、いずれにおいても「Web3に関わる環境整備」が言及されました。
このことから、国全体でWeb3の取り組みに力を入れていることは明らかです。
事例紹介
全国的な取り組み2選
まずは、全国的に展開されている「Web3×地方創生」の事例を2つ紹介します。
ふるさと納税NFT:「株式会社あるやうむ×CNP(CryptoNinja Partners)」
ふるさと納税NFT事業を営む「株式会社あるやうむ」と、国内最大級のNFTプロジェクトとして注目を集める「CNP(CryptoNinja Partners)」がコラボしたNFTが、ふるさと納税の返礼品として提供されています。
各自治体の特産品とCNPのキャラクターが一緒に描かれたデザインとなっており、2024年4月18日時点で全国15の自治体とのコラボNFTがあります。
上の画像は、長野県飯綱町が提供しているふるさと納税NFTです。飯綱町の特産品である米やリンゴと、CNPのキャラクターが一緒に描かれています。
1点36,000円で、合計185点販売されています。購入者はNFTを取得できるとともに、飯綱町にあるペンションの宿泊券も貰えます。
関連リンク:株式会社あるやうむ「ふるさと納税NFT」https://furu.alyawmu.com/
観光:「ルーラコイン」
「ルーラコイン」とは、全国の加盟店で使うことのできる観光に特化したデジタル通貨です。Web3関連技術のひとつであるブロックチェーンが用いられていることで、安全性・透明性が保証されています。
使える地域は徐々に拡大されており、2023年12月時点で全国33の観光地で使うことができます。
ユーザーは、クレジットカードやプリペイドカードを使って「ルーラコイン」を購入し、加盟店の支払いで使うことができます。
ユーザーの利点としては以下の3点があります。
- チャージ金額の10%が特典として貰える
- 加盟店での買い物がキャッシュレスで行えるため、利便性が高い
- ユーザーが使ったルーラコインの1%が観光地に還元されるため、観光地を応援できる
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ルーラコインで購入できる「ルーラNFT」も提供されています。
ルーラNFTを購入すると、それぞれの観光地に沿った特別な体験や、ユニークな特典を楽しむことができます。
例えば、茨城県久慈郡大子町の温泉地では、イベント参加権が付与された特別なNFTが販売されました。
城や周辺観光地を巡りながら、特別な体験を楽しむルーラNFTも全国12の地域で提供されています。
このNFTの特徴は、城の半径2km以内に近づくことで購入できる点です。希少性があるNFTでありながら、解説音声などを聞いて歴史や文化を学ぶ新たな形式の観光体験ができます。
関連リンク:ルーラコイン公式サイトhttps://rural.ne.jp
まちを挙げた取り組み3選
次に、まちを挙げて取り組まれている地方創生のWeb3プロジェクトを3つ紹介します。
Web3タウン:岩手県紫波町(しわちょう)
岩手県紫波町は、Web3に対する政府の支援強化を受け、2022年6月に「Web3タウン」を目指すと表明しました。
以下が表明全文です。
この表明を起点として、紫波町は、NFT発行やオンラインコミュニティの活用、Web3イベント開催などの取り組みを推進しています。
関連リンク:岩手県紫波町「【地方創生】Web3タウンの表明について」https://www.town.shiwa.iwate.jp/soshiki/4/2_13/9609.html/
デジタル住民票NFT:山形県西川町
日本で初めて自治体が発行する「デジタル住民票NFT」として注目度が高いのが、山形県西川町のプロジェクトです。
「デジタル住民票NFT」とは、デジタル上で発行された住民票を購入した人が、該当自治体に住んでいなくてもその自治体のデジタル住民になれる仕組みです。購入者が法律上の住民になれるわけではありません。
このデジタル住民票NFTは、2023年4月に1個当たり1,000円で1,000点販売されましたが、町人口の2.8倍である13,440件からの申し込みがあり、即完売するほど人気でした。(参考:https://www.sankei.com/article/20230910-3WV6SQD36ZNEPFQK4UMLUG7LKA/ )
このNFT保有者は、以下2点の特典があります。
- 町長も参加するオンラインコミュニティに参加し、メタバース空間などで交流を楽しめる
- 地域の温泉への入浴無料券、特産の天然水プレゼント ※いずれも一定の条件あり
関連リンク:
体験型Web3:「Virtual Inami Project(バーチャル井波プロジェクト)」
「Virtual Inami Project(バーチャル井波プロジェクト)」について、公式サイトでは以下のように述べられています。
富山県南西部にある、日本有数の木彫りの町・井波。バーチャル井波プロジェクトは、人口8000人の小さなこのまちに住む有志によって運営される、仮想空間「バーチャル井波」をつくるプロジェクトです。現実のまちと同じように、世界中の誰もが訪れることができ、ショップ、ギャラリー、オフィスなど様々な機能が集約しています。バーチャル井波は「井波」と「木彫」の2つのキーワードに特化したまちで、これらの話題に関心のある人々が集い、交流しながら、新たな創造が生まれる場所を目指します。
引用元:https://virtual-inami.com/ 引用元:Virtual Inami公式サイト
このプロジェクトの目玉は2つ、「仮想空間・バーチャル井波」と「いなみならい制度」です。
「仮想空間・バーチャル井波」では、メタバースプラットフォーム上で再現された井波エリアの街並みを、ユーザーはVRゴーグルを通じて、もしくはPCやスマホにアプリをダウンロードして体感することができます。
メタバース空間には、井波のメインストリート「八日町通り」や、まちの主要産業である木彫刻の工房、美術館、そして住民が集うラウンジなどがあり、世界中の人と交流を楽しめます。
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「いなみならい制度」とは、「井波」と「見習い」を掛け合わせた造語「いなみならい」になれる仕組みです。
木彫りが有名なまち・井波に住む実際の木彫り職人が「親方」となり、一人一人の「見習い」に合わせた特別な木彫りワークショップを実施します。
「見習い」になった人は、「旅人以上、弟子未満」のような位置づけで、1年に1回職人の工房に通いながら、井波のまちや木彫りの技術について学ぶことができます。
「いなみならい」になるためには、「KiboriNFT」を購入する必要があります。
「KiboriNFT」とは、実際に職人が使う彫刻刀をデジタル画像化したNFTです。KiboriNFTは、それぞれに一人の親方が紐付いており、買ったNFTに対応した親方の下でワークショップを体験できます。
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「仮想空間・バーチャル井波」、「いなみならい制度」ともに、Web3の技術を用いて「井波(まちの雰囲気、木彫りなど)」を体験できる取り組みです。これらの取り組みから成る「Virtual Inami Project」は、井波の関係人口増加を目指すプロジェクトです。
関連リンク:
Virtual Inami公式サイトhttps://virtual-inami.com/
Virtual Inami「いなみならい制度」https://virtual-inami.com/inaminarai/
分野別の取り組み5選
最後に、5つの分野における、「Web3×地方創生」プロジェクトの代表例を1つずつ紹介します。
環境貢献型NFT:「capture.x(キャプチャーエックス)」
「株式会社bajji」が提供する「capture.x(キャプチャーエックス)」は、環境貢献活動を地方創生と結びつけようとするプロジェクトです。
三重県多気町がふるさと納税の返礼品として販売するNFTには、太陽光発電所のデジタルオーナー権が付与されています。
このプロジェクトのテーマは、環境問題を「(※)自分ごと化」することです。
※自身の問題として捉え、主体的に取り組むこと
CO2量などの「環境」は直接見れないため、どこか遠いものと思われがちです。その問題を解決するため、プラットフォーム上では、毎日のCO2削減量が可視化されています。
NFT保有者は、プロジェクトまたは設備に「エール」を送ることができます。エールを送ると「エールポイント」が溜まり、環境貢献型商品や地域の特産品と交換できます。
地域の取り組みを知るとともに、環境への理解を深めることもできるプロジェクトです。
関連リンク:
文化保護:青森ねぶた祭NFT
青森県では、「ねぶた祭」の文化を守るNFTを販売しています。
「ねぶた祭」は毎年8月に青森県で行われる日本を代表する祭りのひとつです。参加者は、「ねぶた」と呼ばれる巨大な灯篭が乗った山車を引きながらまちを練り歩きます。
ねぶたのもとになっている原画データと、実際の山車を撮影し制作された3Dモデルが2022年にNFT化され、リリースされました。
原画データNFT
3DモデルNFT
このプロジェクトの背景には、ねぶた祭の「持続性」があります。
ねぶたは、職人が書いた1枚の下絵をもとに1年かけて作られます。祭りで使われたねぶたは、ほとんどが壊されて、また職人が1から下絵を書くというサイクルで回っています。
1年もかけて手掛けられた「ねぶた」がたった1週間ほど世に出ただけで壊されるため、職人の思いや文化の継承ができない問題が生じます。
そのため、Web3の技術を駆使して、ねぶた祭の文化や歴史を後世に残すプロジェクトが推進されています。
関連リンク:青森ねぶた祭 NFTストアhttps://adam.jp/ja/stores/AOMORI-NEBUTA_NFT
障がい者福祉×文化保護:「蚕都Grants(さんとぐらんつ)DAO」
「蚕都GrantsDAO」は、精神・発達障害を持つ人の雇用と、地域文化の保護をWeb3の力で実現しようとする地方創生プロジェクトです。
蚕都Grantsは「誰もが生きる価値のある人生を過ごせる社会をつくる」ことを目的に、京都府北部の綾部市を拠点に活動している団体であり、以下のような仕組みでDAOが運営されています。
※京都府綾部市は明治時代から「養蚕」が盛んな地域です。
プロジェクトの特徴としては、以下が挙げられます。
- 精神・発達障害のある人がデザインした作品を会員証NFTとしている
- 精神・発達障害のある人の雇用や養蚕文化の保護のために、NFTの収益が使われている
- NFT保有者は、蚕都Grantsの活動に関する意思決定や商品開発などに関わることができる
- オンライン、オフライン両方で蚕都Grantsのコミュニティがある
蚕都Grantsは以下の計画に沿って、Web3技術を用いた綾部市の活性化を図っています。
関連リンク:
農業:「石高プロジェクト」
「石高プロジェクト」とは、福島県西会津町が、町の基幹産業である「米」の販路拡大を目指して2023年に開始したWeb3プロジェクトです。
西会津町は、昔から米作りが盛んな地域でしたが、現代では担い手の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などの問題により、産業の持続が危ぶまれています。
そこで白羽の矢が立ったのが、Web3を用いた地方創生の仕組みです。
「石高プロジェクト」の仕組みを一言でいうと、Web3技術を用いた「米のオーナー制度」です。
ユーザーは、石高プロジェクトのアプリから、希望の農家と米の銘柄を選びます。そして、米の収穫前に専用ポイントでNFTを買います。収穫されると、そのNFTに対応した米が自宅に配達される仕組みです。
実際のアプリ画面
この仕組みの最大の特徴は、「収穫前の」米を購入することです。この特徴により、豊作の時には自分への分け前が増え、凶作の時には分け前が減る投資的な要素が生まれます。
つまり、「石高プロジェクト」はユーザーと農家で利益と損失を分かち合い、互いのつながりを深めることで、地域への関係人口増加を狙うプロジェクトです。
関連リンク:石高プロジェクト公式サイトhttps://www.kokudaka.jp
スポーツ:「PICKFIVE(ピックファイブ)」
プロバスケットボールチーム「川崎ブレイブサンダース」は、株式会社DeNAが開発した「PICKFIVE(ピックファイブ)」の正式版を2022年にリリースしました。
「PICKFIVE(ピックファイブ)」とは、Web3技術が用いられているオンラインカードゲームです。
ユーザーは、川崎ブレイブサンダースに所属する選手のNFTカードを用いて、ユーザー同士でスコアを競います。
ゲームの流れは以下の通りです。
- 川崎ブレイブサンダースの試合開始前に5枚の選手NFTカードを選び「デッキ」を組む
- 試合後、選んだ選手の実試合での活躍度に応じてスコアを獲得できる
- 獲得したスコアをユーザー同士で競い合い、順位が決まる
- 順位に応じたポイントが付与される
- 獲得ポイントで特別なグッズと交換できる
※選手のNFTカードは無料でも提供されており、無料カードと有料カードで性能差はない
スポーツにおける地域振興については、様々な効果があるとされています。
スポーツ庁は、「スポーツには、まちのブランディング効果や地域一体感の醸成などの社会的効果と、スポーツアクティビティに関わる消費拡大や参加料収入などの経済的効果がある」とまとめています。(参考:https://sc-odate.jp/wp/wp-content/uploads/2021/03/20210312.pdf)
「PICKFIVE(ピックファイブ)」は、オンラインサービスであるため、世界中どこからでもゲームに参加できます。そのため、「川崎ブレイブサンダース」や「川崎市」の認知を世界に広めるチャンスを秘めたプロジェクトです。
関連リンク:
PICKFIVE公式サイトhttps://pickfive.jp/login
川崎ブレイブサンダース「PICKFIVE」お知らせページhttps://kawasaki-bravethunders.com/news/detail/id=18873
地方創生にWeb3を用いる効果・課題
ここまでの事例を踏まえて、地方創生にWeb3技術を用いる際の効果と課題を考えます。
効果
・世界中に地域の魅力を発信できる
・関係人口の増加
・健全な民主社会の実現
世界中に地域の魅力を発信できる
Web3を地方創生に用いると、地域の魅力を世界中に発信できる効果があります。
Web3プロジェクトは、どれもデジタル上でマーケティングや取引が行われるため、世界中の誰にでも情報を伝えられる機会があります。
まだ認知度が低い地域の強みでも、Web3を有効活用できれば世界中に自治体の「ファン」を増やせるかもしれません。
国外にも波及したプロジェクトの事例は、以下の記事をご参照ください。
関係人口の増加
地方創生にWeb3を活用すると、地域の関係人口増加につながります。
事例でも紹介したように、NFTやDAOを通じて地域とユーザー間に密接な「つながり」が生まれます。その「つながり」が、地域に興味を持ったり、実際に訪れようとしたりする「きっかけづくり」になり、関係人口の増加につながります。
新たな関係人口により、革新的な地域活性化案が生まれる可能性もあります。そのため、人口減少や産業の後継者不足に直面している日本にとっては、この「つながり」が地方創生の救世主となりうるでしょう。
健全な民主社会の実現
Web3を地方創生に活用すると、より健全な民主社会の実現につながります。
Web3は透明性や安全性を保障する技術であるのに加えて、コミュニティ参加者一人一人の意見が反映されやすい特徴があります。
デジタル住民票NFTの事例で紹介した山形県西川町のプロジェクトでは、NFT保有者が参加できるオンラインコミュニティに町長も参加しているため、行政に直接意見を言える機会があります。
課題
・効果が未知数
・関係者の理解を得る必要がある
・秩序が乱れる可能性
効果が未知数
Web3を地方創生に活用する課題は、効果が未知数な点です。
日本で地方創生にWeb3が活用され始めたのは、2020年代に入ってからであるため、まだ活用データや成功例が少ない現状にあります。
現時点では、Web3に関して知見のある人も少ないため、大衆への普及にどれほどの期待を持ってよいのか分からないのが現実的な見解です。
関係者の理解を得る必要がある
Web3を地方創生に活用するうえで、関係者の十分な理解を得るのに苦労する課題があります。
Web3は最先端技術である一方、活用を検討している地域は高齢化などで存続が危ぶまれている所が多いため、認識のすり合わせを行う際に障壁が生じます。
本記事にて紹介した事例10選においても、地元住民や行政の理解を得るのに苦労したと報告している地域が多くあります。関係者の不安や不明点を解消するために、十分な説明を行う必要があります。
秩序が乱れる可能性
Web3を地方創生に活用すると、地域コミュニティの秩序が乱れる可能性が考えられます。
Web3では地域外の人でも、地域の活動やコミュニティに気軽に関わることができます。そのため、悪意を持った人がオンライン・オフライン双方で節度のない行動や、地域が不利益を被る行動をとることも考えられます。
「秩序の乱れ」は、効果で挙げた「関係人口の増加」とトレードオフの関係にあるため、完全に防止するのは難しいですが、ある程度の対処を考えておく必要があります。
まとめ
Web3は様々な形態で地方創生に活用できる最先端デジタル技術です。
最先端ゆえに効果や課題を予測するのは難しいですが、日本が置かれている人口減少などの状況を鑑みれば、一度導入を検討してみても良いのではないでしょうか。
Web3市場は年々拡大しているデータもあるので、各地域の画期的なアイデア次第では、今までにない地域活性化も実現できる可能性があります。
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