テスラのロボタクシー、6月12日にテキサスで運用開始か　「Model Y」活用の可能性も浮上

2025年5月29日、Teslaが6月12日に米テキサス州オースティンでロボタクシーの運用を開始する計画であると報じられた。
これは同社CEOイーロン・マスク氏が言及していたスケジュールとも一致しており、実現性が高まっている。

6月12日、オースティンでロボタクシーが実用化する見通し

報道によれば、Teslaは6月12日、米テキサス州の州都オースティンでロボタクシーの運用を開始する予定だという。
これは、2024年10月に発表された無人走行車「Cybercab（サイバーキャブ）」の展開計画に続く動きであり、同社が描く自動運転モビリティ構想の第一歩とされる。

ただし、今回のサービスに新型のCybercabが使用されるかどうかは不透明である。
マスク氏はこれまでに、Cybercabの量産は2026年から始めると明言しており、6月に始動するロボタクシーは「Model Y」など既存のTesla車である可能性が高いと見られている。

また、マスク氏は5月29日にX（旧Twitter）にて「テスラはここ数日間、オースティンの公道でモデルY（無人運転）の自動運転テストを行っており、事故は発生していない。予定より1ヶ月早い。来月には工場から顧客への最初の自動納車が行われる予定だ。」とポストしていた。

For the past several days, Tesla has been testing self-driving Model Y cars (no one in driver’s seat) on Austin public streets with no incidents.

A month ahead of schedule.

Next month, first self-delivery from factory to customer.

— Elon Musk (@elonmusk) May 29, 2025

ロボタクシーが描く都市交通の未来と、その実現に立ちはだかる壁

Teslaが掲げるロボタクシー構想は、都市交通に革命をもたらす可能性を秘めている。
実現すれば、運転手不要の完全自動運転により運営コストが大幅に低下し、都市部における交通渋滞や排出ガスの削減、さらには交通弱者の移動支援にもつながるだろう。

一方で、安全性や法規制面では課題も残る。
完全自動運転車の運行には州ごとの規制対応が求められるため、事故時の責任所在や運行許可の取得など、制度面の整備が不可欠だ。
また、既存の交通システムとの共存も技術的・社会的に慎重な検討が必要になるだろう。

今後、テスラが蓄積する走行データが自動運転アルゴリズムの精度向上に資することで、事故発生リスクのさらなる低下が期待できる。
こうした実績が積み重なれば、規制当局や市民社会からの信頼獲得にもつながるはずだ。

総じて、今回のテキサス州オースティンでの運用開始事例は、今後の自動運転モビリティ拡大における試金石となるであろう。