石破首相、北海道のAI振興策を後押し GXと地方創生の実証拠点に

石破茂首相は2025年5月27日、北海道の鈴木直道知事、札幌市の秋元克広市長と首相官邸で面会し、AI関連施策に対する支援要望を受けた。
北海道をGXやAI活用の先進モデルと位置づけ、政府として支援を進める方針を明言した。
北海道のAI施策に政府が支援を明言
石破首相は27日、首相官邸で北海道の鈴木知事、秋元市長と会談し、AIを活用した地域振興施策について意見交換を行った。
鈴木知事は、道内におけるAI関連産業の集積などが地方創生のモデルケースになると強調した。
これに対し石破首相は、「(北海道の取り組みは)まさに先進的なモデルであり、一緒になってグリーントランスフォーメーション(GX ※)やAIによる地方創生を生み出していきたい」と応じ、国としての支援を約束した。
政府は今後、補助金の拡充や実証事業の強化などを通じて、北海道におけるAI利活用の社会実装を後押しする可能性があると見られる。
※グリーントランスフォーメーション(GX):脱炭素社会の実現を目指し、産業や社会の構造をグリーン化する取り組み。再生可能エネルギー導入や省エネ化、循環経済の推進などが柱となる。
AIとGXの融合による地方創生、全国展開の可能性も
北海道が進めるAI施策には、気候や地理的特性を活かしたGXとの融合が含まれており、他の地方自治体にとってもモデルケースとなり得る。
特にスマート農業やエネルギー転換といった分野では、全国の自治体が抱える共通課題に対応する可能性を秘めている。
今後、国の財政支援と制度設計が連動すれば、民間投資やスタートアップ企業の参入も促進されると考えられる。
一方で、持続的な人材確保や教育体制の整備が不十分であれば、技術だけが先行し、地域格差を助長するリスクも残る。したがって、自治体ごとの特性に応じた柔軟な支援策が求められるようになるだろう。
北海道の取り組みが実証を通じて成果を上げた場合、地方創生の新たな成功モデルとして全国展開される可能性は高いといえる。