Sansan、紙の名刺にデジタルを紐付ける「デジタル名刺ソリューション」提供 渡した名刺が“埋もれない”仕組み

2025年5月26日、Sansan株式会社は、紙の名刺交換後に相手へデジタル名刺を自動送信する「デジタル名刺ソリューション」の提供を開始した。
ビジネスの出会いで交わされた名刺を情報資産として最大活用する新たな仕組みである。
名刺交換後に自動でデジタル名刺送付 活用されず眠る課題に対応
Sansanが新たに提供する「デジタル名刺ソリューション」は、紙の名刺を交換した後、受け取った相手に対してデジタル名刺をメールで自動配信する仕組みを備えている。
Sansan代表の寺田親弘氏によると、「名刺の約半数はそのまま活用されずに埋もれてしまっている」という課題があるという。
この課題を受けて、Sansanは受け取った名刺情報をデータ化し、翌日には相手のメールボックスにデジタル名刺を届ける「デジタル名刺メール」を開発した。
名刺管理の負担を増やさず、従来の業務フローを維持したまま、新たな価値を付加できる点が特徴だ。
加えて、同サービスでは「デジタル名刺メーカー」も利用可能となり、最新の名刺データを組織内で一元管理・支給できるようになる。
名刺情報はCSVで一括登録が可能で、変更時の更新作業も容易に行える。
紙とデジタルを融合した名刺文化の進化 効率化と人間関係の深化に期待
新サービスは、単なる名刺管理の枠を超えた「関係資産の可視化ツール」として、企業の営業活動や人脈構築に資する可能性が高い。
特に注目されるのは、デジタル名刺が最低限の情報のみで構成されている点だ。
過剰な情報提供を避けることで、相手のメールボックス内で埋もれず、連絡先として保持される可能性が高まる。
また、デジタル名刺はQRコードを通じてスマートフォンで直接読み取れるため、相手がSansanやEightのユーザーでなくても共有が可能だ。
一方で、導入には一定のハードルが存在する。
紙文化に根付いた企業では、名刺管理に対する考え方や運用ルールが確立されている場合が多く、新たなフローの追加に抵抗感が生まれやすい。
そのため普及には時間を要するだろう。
今回の取り組みは、名刺が単なる情報の媒体ではなく、ビジネス関係の起点として持続的に機能するための仕掛けと言える。
名刺を「渡した後」にこそ価値を発揮させるこの新サービスが、名刺文化の進化を後押しするか注目が集まる。
デジタル名刺ソリューション:https://jp.sansan.com/function/digital-meishi/