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    大林組、金属3Dプリンターで建設現場の省力化を推進 炭素鋼も対応可能に

    2025年5月20日、総合建設大手の大林組は、炭素鋼やステンレス鋼を造形できる金属3Dプリンターを開発し、大型モックアップ「The brænch(ザ・ブレンチ)™」を製造したと発表した。
    国内建設業界での金属3Dプリンター実用化は、大規模工事の効率化と生産性向上を後押しする可能性がある。

    目次

    大林組が金属対応の建設用3Dプリンターを発表

    大林組が新たに開発した金属3Dプリンターは、炭素鋼およびステンレス鋼といった建設現場で広く使用される素材を対象としており、特殊な形状の部材を効率的に製作できる点が特徴だ。

    背景には、建設業界における就労人口の減少や施工の自動化ニーズの高まりがある。従来の建設用3Dプリンターはセメント系材料を用いるケースが多く、金属部材の対応は限られていた。特に炭素鋼については、加工精度やスラグ(※1)の除去が難しく、3Dプリンターでの実用化には課題が残されていた。

    大林組はこれらの課題に対処すべく、WAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing ※2)技術を採用。これは一般的なアーク溶接の原理を応用して金属を積層造形する方式であり、大型部材の製作にも対応できる。
    さらに、材料や溶接条件を最適化し、スラグを生じさせない新たな造形法を確立したことで、炭素鋼でも高精度かつ連続的な造形が可能になった。

    同社はこの技術の実証として、大型モックアップ「ザ・ブレンチ」を製作。30体の金属製パーツに分割して造形し、樹脂製の屋根と座面を取り付けて完成させた。
    設計段階から3Dプリンターの造形能力を最大限に活かす構造としたことで、従来の鋳造と比較してコストや納期の大幅削減を実現したとされる。

    建設現場の省力化へ 特殊部材の新たな製造手段に

    金属3Dプリンターの導入により、建設現場での特殊形状部材の製造プロセスは大きく変わる可能性がある。特に、これまで鋳造や鍛造といった工程を経て数週間〜数カ月を要していた部材の調達が、3Dプリンターによって数日以内に完結するケースも想定され、工期の短縮と在庫コストの削減が見込まれる。

    また、設計の自由度が高まることで、これまで強度確保のために採用されていた過剰な補強材や汎用品の流用から脱却し、構造最適化や軽量化による建築物全体のコスト削減や環境負荷の低減も視野に入る。

    一方で、現時点では炭素鋼やステンレス鋼を用いた金属3Dプリンターの導入には高額な初期投資が伴い、すべての建設現場に即座に展開するのは困難であると考えられる。
    さらに、積層精度や品質の安定性に対する信頼性評価、認証制度の整備といった制度的な課題も残る。

    それでも、少子高齢化に伴う建設技能者の減少という構造的課題に対応する手段として、3Dプリンターのような自動製造技術は不可欠となる。
    大林組の取り組みは、単なる技術革新にとどまらず、建設業界の持続可能性に直結する次世代の製造基盤を示す第一歩と言えるだろう。

    ※1 スラグ:溶接時に発生する酸化物などの不純物で、造形物の表面品質や強度に悪影響を及ぼす。

    ※2 WAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing):アーク溶接を利用し、ビード(溶接中に凝固した金属)を積層する。

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