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イングランド銀行、ステーブルコイン保有上限に例外措置検討 業界の要請受け

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2025年10月8日、イングランド銀行(BOE)がステーブルコイン保有上限に例外措置を設ける方向で調整していると米ブルームバーグが報じた。
企業や暗号資産取引所への過度な制約を避け、業務実態を踏まえた制度設計を進める見通しである。

イングランド銀行、取引所などに保有限度の例外措置を検討

ブルームバーグの報道によれば、イングランド銀行はステーブルコイン(※)保有上限を定める規制案において、暗号資産取引所や企業など一部事業者を対象に例外措置を設ける方向で調整している。
同行は年内にも協議文書を発表する予定だ。

現行案では、個人の保有限度を2万ポンド(約380万円)、企業を1,000万ポンド(約19億円)に設定する計画となっている。
しかし、日常的に多額のステーブルコインを取り扱う暗号資産取引所や金融事業者から強い反発が相次いでいた。
これを受け、同行は取引規模に応じた柔軟な運用を検討しているという。

業界団体の英国暗号資産業界協議会(Cryptoasset Business Council)は9月に上限撤回を正式に要請し、「テーブルコイン保有を制限する根拠はなく、国際競争力を損なう」と表明していた。
同団体は米国の「ジーニアス法(Genius Act)」を引き合いに、英国の制度対応の遅れを問題視しているようだ。

さらに、イングランド銀行はデジタル証券サンドボックス内でステーブルコインを決済資産として利用可能にする方針を検討している。
大規模ステーブルコインに対しては、裏付け資産の一部を短期国債などの高品質資産で保有することを認める案も協議中だという。

※ステーブルコイン:法定通貨などの価値に連動し、価格の安定を保つ暗号資産の一種。決済や資金移動で利用されるが、裏付け資産の安全性や流動性が監督当局の主要な検証対象となっている。

制度緩和の先にある競争力とリスク管理の両立

今回の例外措置検討は、英国が金融イノベーションとリスク管理の両立を模索していることを示している。
メリットとして、柔軟な制度設計により暗号資産事業者の運営負担を軽減し、取引コストや流動性の向上が期待される。
とりわけ、ポンド建てステーブルコインの普及が遅れている英国市場において、企業活動の活性化につながる可能性がある。

一方で、上限の緩和は資金集中リスクや金融システムへの影響を拡大させる恐れもある。
裏付け資産の信頼性が損なわれれば、金融市場全体の安定性を脅かすリスクを内包する。
そのため、規制緩和には監督体制の強化と透明性の確保が不可欠となるだろう。

イングランド銀行は7月にリテール向け中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルポンド」の導入を再考しており、今後は民間ステーブルコインを中核に据えた金融インフラの形成が進む可能性が高い。
金融当局が求めるのは、国際競争力を維持しつつ、リスクを制御できる新たなガバナンスモデルの確立だと考えられる。

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