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KDDIが大阪堺DCの推論環境を拡充 27年度に最新GPU導入

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2026年10月27日、KDDI株式会社は大阪堺データセンターの推論環境における活用モデルを順次拡充すると発表した。従来モデルに加えオープンウェイトモデルや顧客独自モデルへ対応し、さらに2027年度には「NVIDIA HGX Rubin NVL8」を導入する計画だ。

国内データ管理と最新基盤の両立へ KDDIが推論環境を大幅に機能強化

KDDIは2026年12月から順次、ソブリン性の高い大阪堺データセンターの推論環境(※)において、活用できるAIモデルのラインアップを順次拡大していく。

従来提供してきたGoogleの高性能モデル「Gemini」に加え、「Gemma」をはじめとするオープンウェイトモデルをAPI形式で提供するほか、企業が独自に構築したAIモデルを分離環境で運用できるインフラも整備する方針だ。

最大の特長は、機密性の高いデータを国内で安全に保管・管理したまま、用途や要件に合わせて多様なAIモデルを選択・運用できる点にある。

先行パートナーである株式会社リコーは自社構築・運用を伴わないAI提供モデルの検証を推進し、株式会社医用工学研究所(MEI)は電子カルテ等の医療データを活用した解析を行う。事前検証ではデータ整備の特定工程で最大99%の工数削減が確認されている。

さらに、KDDIは2027年度にNVIDIAの最新プラットフォーム「NVIDIA HGX Rubin NVL8」を同センターに導入する予定である。前世代のBlackwellと比較し、メモリ容量は約1.4倍、FP4演算性能は約2.8倍に向上し、推論スループットは最大10倍に達する。

構築面ではコンテナ型データセンターの整備により工期を大幅に短縮するほか、高度なダイレクト液体冷却とフリークーリングを組み合わせることで、冷却関連電力を最大90%削減する設計となっている。

※推論環境:学習済みのAIモデルに対して新たなデータを入力し、予測・分類・生成などの結果を出力・処理するための計算基盤およびシステム環境のこと。

導入がもたらす企業メリットと潜在リスク フィジカルAI時代の新たな展望

今回の推論環境拡充および次世代GPUの導入は、企業や産業界に多角的なインパクトをもたらすと考えられる。主なメリットとしては、ソブリン性を堅持しながら高度なAI処理をオンプレミス感覚で利用できる点が挙げられる。

インフラの自社構築や保守が不要となるため、環境構築における導入リードタイムやコストを抑制しつつ、機密データの流出リスクを抑えた安全なDXを加速させることが期待できる。

さらに、最新GPUの省電力設計は、近年のデータセンターにおける電力消費急増という社会課題に対する実効的な解決策となる可能性がある。

一方で、留意すべきリスクや課題も存在する。特定の外部データセンター基盤への依存度が高まることで、障害発生時の事業継続性確保やベンダーロックインへの配慮が求められる場面も出てくると見られる。

また、多様なモデルや高度なインフラを使いこなすための高度IT人材の確保・育成が、企業側の新たな壁となる懸念も否定できない。

展望として、KDDIはモビリティ、ロボット、ドローンといったフィジカルAI領域への本環境の活用も見据えている。 リアルタイム処理を要する産業の社会実装が進めば、国内の産業競争力を飛躍的に向上させるインフラ基盤へと進化を果たすことが期待される。

KDDI株式会社 ニュースリリース

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