2026年10月26日、NTTは相手の発話を聞きながら応答できる双方向型音声対話AI技術を確立したと発表した。他社サービスと比較して平均応答時間を50%以上短縮し、人間並みの自然な会話を実現している。
NTTが双方向型の音声対話AIを開発 他社比50%超の高速応答を実現
NTTは、相手の発話を聞きながら応答し、相槌や割込み、発話待ちに対応できる双方向型音声対話AI技術を開発した。実証実験では平均応答時間0.43秒を達成し、他社サービスと比較して50%以上の短縮を実現したことを検証している。これは日本人オペレータの平均応答速度0.31秒に迫る水準であり、自然なテンポでの対話を可能にする。
本技術の核となるのは「対話の自然性」「指示文による対話内容の指定」「外部知識の自律参照・更新」の3点だ。タスク指示文を変更するだけでモデルの再学習なしに多様なトークフロー(※)に対応できるほか、対話中にCRMやデータベース等の外部システムを参照・更新し、最新情報に基づく正確な対応を行う。長年培った音声処理技術と高品質な学習用データの活用が、人間らしい柔軟なコミュニケーションの確立につながった。
※トークフロー:顧客応対において、問い合わせ内容や業務手順に応じてあらかじめ設定された会話の流れやシナリオのこと。
深刻な人手不足を救う一手となるか CX向上と現場負荷軽減の真価
今回の技術確立は、深刻な人手不足と業務負担の増加に直面するコールセンタ業界にとって大きな転換点となる可能性がある。応答速度の大幅な短縮と自然な対話能力は、自動応対特有のストレスを和らげ、顧客体験(CX)の向上につながると期待される。
また、オペレータの業務負担を軽減し、コールセンタ全体の運営効率化やコスト削減に貢献する見込みだ。応用範囲も広く、自治体や医療機関の窓口、商業施設の受付など、人との対話が欠かせない現場への普及も想定される。
一方で、現場導入にあたっては外部システム連携時のセキュリティ確保や、システム障害時のリスク管理が課題となる可能性がある。AIの自動対応領域が増えるほど、予期せぬ対話トラブルへの対応設計も重要になるはずだ。NTTは今後、実運用に向けた共同実験を通じて適用可能性を検証する計画であり、現場での実効性がどのように示されるかが注目される。
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