メタプラネットは、総額520億円のユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債の発行を決定した。
調達資金はビットコイン担保借入の返済と自己株式の取得に充て、財務基盤の安定化を図る。
ゼロ金利で520億円調達、借入返済と自社株買いに充当
メタプラネットは2026年10月13日、2031年満期のユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(※)を発行すると発表した。
同社が同種の社債を発行するのは初めてで、利息を支払わないゼロ・クーポン型の無担保社債となる。満期は2031年10月29日で、原則として額面の100%で償還する。
発行総額は520億円、手取金は約519億円を見込む。このうち236億円を2026年11月の借入金返済に、最大283億円を同年10〜12月の自己株式取得に配分する計画だ。
自社株買いでは最大253億円を東京証券取引所の立会外取引「ToSTNeT-3」で実施し、残る最大30億円を追加の市場買付けに充てる。
未使用分が生じた場合は、追加の自社株買いや借入金返済に振り向ける方針である。
同社は2026年9月末時点で4万4,000BTCを保有する一方、ビットコインを担保とする借入残高は約6億5,000万ドルに達していた。
借入金のBTC時価純資産に対する比率は約17.7%と、同社が目安とする10%未満を上回っている。
今回の発行は、金利負担を伴う担保借入の一部を長期資金へ置き換える狙いがある。
また、同社はビットコインを基盤とする金融プラットフォーム構想「Project Nova」を推進し、金融商品の組成や資産運用などへ事業領域を拡大する方針だ。
※転換社債型新株予約権付社債:一定の条件で発行企業の株式に転換できる権利が付いた社債。投資家は株式転換による値上がり益を狙える一方、企業側は通常の社債より低い金利で資金調達しやすい。ただし、株式転換によって既存株主の持分が希薄化する可能性がある。
金利負担の抑制に期待、将来の株式希薄化が課題
今回の資金調達で注目されるのは、ビットコインを売却せずに担保借入への依存を減らそうとする点である。
無担保のゼロ・クーポン債へ借り換えれば、担保として拘束されるビットコインを減らし、利払いに伴う現金流出を抑えられる可能性がある。
価格下落時にも資金繰りの選択肢を維持しやすくなるだろう。
ただし、社債発行直後は会計上の負債総額が増える。利息が発生しない一方、満期までに株式転換が進まなければ償還資金を確保する必要があり、将来の財務負担が消えるわけではない。
また、株式への転換が進めば既存株主の持分が希薄化する可能性も残る。自社株買いはその影響を一定程度緩和し得るが、完全に相殺できるとは限らない。
一方、財務基盤の安定化は、同社が目指す金融事業の拡大にも重要な意味を持つ。
ビットコインの価格変動に左右されにくい収益源を確保できれば、保有資産の値上がりだけに依存しない事業構造への転換が進む可能性がある。
今回の手取金はビットコインの追加購入やM&Aに直接充てられないものの、借入余力を取り戻すことで将来の投資に備える位置付けとなる。
今後は、負債構成の改善と株主価値の維持を両立しながら、金融事業を持続的な収益源へ育てられるかが焦点になりそうだ。
株式会社メタプラネット ゼロ・クーポン2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行に関するお知らせ
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