米ホワイトハウスは、トランプ大統領が連邦政府の行政機関で「人工知能(AI)」の呼称を「超知能(SI)」へ置き換える大統領令に署名したと発表した。
政策文書や公式広報などでSIの使用を求める。
米行政機関でAI表記をSIへ変更
2026年9月29日、米ホワイトハウスは、トランプ大統領が「Artificial Intelligence(人工知能)」と「AI」の呼称を「Super Intelligence(超知能)」と「SI」へ置き換える大統領令に署名したと発表した。
大統領令は、米連邦政府の各省庁・機関に対し、行政部門における公式文書や公的な情報発信、政策文書、法律以外の文書で「Super Intelligence」と「SI」を使用するよう指示した。
従来の「Artificial Intelligence」と「AI」という呼称は使用しない方針である。
さらに、大統領科学技術補佐官(APST※)に対し、現在の技術水準を反映した「Super Intelligence」「SI」の連邦政府としての定義を提案するよう求めた。
あわせて、定義を実施するために必要な追加の行政措置を特定することも指示している。
ホワイトハウスは名称変更の理由として、現在開発されている技術が人間の知能を模倣・自動化するだけではなく、人間の創造性を広げ、これまで不可能だった成果を可能にする力を持つとの認識を示した。
米政府はAI分野での取り組みを継続している。
2025年7月には90以上の連邦施策を盛り込んだ「America’s AI Action Plan」を公表し、2026年3月には「National Super Intelligence Policy Framework」を発表していた。
※APST:Assistant to the President for Science and Technologyの略。
SIへの名称変更が政策や産業に及ぼす可能性
今回の変更は、単なる言葉の置き換えにとどまらず、米政府が高度なAI技術をどのように位置付けるかを示すメッセージとして受け止められる可能性がある。
「AI」よりも高度な能力を想起させる「SI」という名称を政府が統一的に使用すれば、技術開発や経済政策における重点分野を明確に示しやすくなるだろう。
一方、一般に使われてきた「AI」と米行政府が使用する「SI」が並存すれば、企業や研究機関、海外政府との情報共有で用語の違いが生じる可能性もある。
従来AIと呼ばれてきた技術を行政文書でSIと表現することで、既存のAI関連用語との整理が課題となることも考えられる。
今後の焦点は、APSTが提案する連邦政府としてのSIの定義となる。
その範囲次第では、政策文書にとどまらず、政府による研究開発支援や技術政策の整理にも影響が及ぶだろう。
SIという呼称が米行政府の外にも広がるかは、企業や研究者、海外の政策機関が同様の表現を採用するかにも左右されるとみられる。
今回の大統領令はAI技術そのものを変更する施策ではない一方、米国の技術政策で用いる呼称を転換する動きとして、その影響が注目される。
White House 「Fact Sheet: President Donald J. Trump Inaugurates The Era of Super Intelligence」
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