2026年9月14日、AIプラットフォーム事業を手がけるヘッドウォータースとヘッドウォータースコンサルティングは、りそな銀行と埼玉りそな銀行が導入する新たなテレビ窓口サービスのシステム開発を担当したと発表した。
人による柔軟な対応とAIの迅速な処理を融合した新システム
今回導入されるサービスは、人による応対とAIの支援を融合した「Human-in-the-Loop(※)」の考え方を取り入れた新たなテレビ窓口モデルである。利用者は紙の書類へ記入する必要がなく、オペレーターとの会話や画面表示内容の確認のみで手続きを完了できる。
開発の背景には、金融機関の窓口が抱える特有の課題が存在する。金融手続は個別の事情によって複雑化しやすいため、定型的なチャットボットや音声応答のみでは対応しきれない場面が多かった。一方で、スマートフォンやパソコンによる非対面完結型サービスでは、対面での手厚いサポートを求める層のニーズに応えにくいという側面もある。
こうした問題に対し、本システムでは対話自体はオペレーターが担当しつつ、AIがリアルタイムで会話内容から必要事項を抽出・整理して案内を支援する構造を構築した。ヘッドウォータースグループは要件定義から設計、開発、テストまでを一気通貫で手掛け、人による安心感とAIによる利便性の両立を実現させた。
このAI支援により応対が大幅に効率化され、従来のテレビ窓口で平均約30分を要していた手続き時間を約15分程度まで短縮することを目指している。
※Human-in-the-Loop:AIの自動処理プロセスの中に人間の判断や介入を組み込み、両者の強みを掛け合わせて精度や安心感を高めるシステムモデルのこと。
業務効率化の真価と運用の課題 人×AI協働モデルが示す将来像
手続き時間の半減が実現すれば、利用者の待ち時間や負担が軽減されるだけでなく、銀行側にとっても業務効率が劇的に改善される可能性が高い。創出された時間を顧客への高度な相談や提案といった付加価値提供へ充てることで、店舗運営全体の最適化や顧客満足度の向上につながる点も大きなメリットと言える。
一方で、AIが提示する支援情報の精度維持や、オペレーター側の操作習熟度による対応品質のバラつきといった課題の発生も懸念される。人間とAIが連携する現場においては、AIへの過度な依存を防ぎつつ、変化する金融手続きに迅速に対応するための継続的なシステム見直しが不可欠となるだろう。
今後は両銀行との協働継続を通じて運用の洗練が進むと見込まれる。人ならではの柔軟性とAIのスピードを高度に融合させた今回の事例は、金融業界のみならず、複雑な対面手続きを必要とする行政窓口や各種接客業務への波及効果も期待できる。労働力不足が加速する社会において、このHuman-in-the-Loop型モデルは持続可能な店舗運営を実現する重要な選択肢となる可能性がある。
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