レベルファイブの日野晃博社長は自身のXで、「LEVEL5 VISION 2026Ⅱ」の発表会映像にAIを使用したことについて謝罪した。発表会を派手にする目的でAIを多岐に使用したと説明する一方、発売作品の主要な創作部分は人が担っていると強調した。
発表会映像にAI使用 主要な創作部分は人が担当
日野社長は「LEVEL5 VISION 2026Ⅱ」のイベント内で使用した映像について、最新のAIを使った実験を兼ねた処理を組み込んでいたと説明するポストを2026年9月12日に投稿した。
発表会を派手にしたいという考えからAIを多岐に使用したが、作品内容に対して不安の声が上がったことを受け、謝罪の意を示している。
一方、レベルファイブでは、発売作品の魅力や個性に関わる部分は全て人の手で制作していると説明した。
具体的には、シナリオ、キャラクターデザイン、基礎設定などを挙げ、発売されるゲームに安易なAI出力データが入っていることはないとしている。
同社がAIによる効率化を狙う主な領域は、人が作ったクリエイティブをデジタル化する工程だという。日野社長は例として、原画を正確にポリゴン(※)へ起こす作業を挙げており、AI活用によって生まれた時間をクリエイターが創造の本質に充てられるようになっていると説明した。
さらに、現在の大型タイトルの開発期間を5年から2年へ短縮する計画を掲げ、その実現に向けて試行錯誤している段階だと明らかにした。
今回の発表会については、分かりやすく派手なプレゼンテーションにしたいという思いからAIを多方面で使用したことを認め、今後に生かす考えを示している。
※ポリゴン:3DCGで物体の形状を表現するための多角形の単位。複数のポリゴンを組み合わせることで、ゲーム内のキャラクターや背景などの立体モデルを構成する。
AI効率化のメリットと信頼面の課題
AI活用は、ゲーム開発の生産性を高められる可能性がある。人が担ってきたデジタル化などの工程を効率化できれば、クリエイターは企画や表現など、より創造性の高い作業へ時間を振り向けやすくなるだろう。
長期的には、制作体制そのものを変えるかもしれない。
一方で、AIを使った範囲が分かりにくい場合、作品そのものへの不信につながるリスクがある。今回も発表会映像へのAI使用をめぐって、発売作品の内容に対する不安の声が上がっているため、AIをどこにどのように使っているかを伝える重要性が浮き彫りになったと言える。
今後は、AIを効率化の手段として活用しながら、人による創作を中核に据える方針をどこまで具体的に示せるかが焦点となるだろう。
開発期間の短縮と作品の品質向上を両立できれば、AI活用の意義を示す事例となり得る一方、ユーザーとの認識にずれが生じれば、導入効果が評価されにくくなるかもしれない。
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