2026年9月10日、国内のGRCSは米Vantaと販売代理店契約を締結し、セキュリティ認証の取得・規格準拠の運用自動化プラットフォーム「Vanta」の取り扱いと導入・運用支援を開始した。証跡収集やAIによるテストを自動化し、企業のセキュリティ管理に伴う負担軽減を目指す。
Vantaで規格準拠の証跡収集を自動化
Vantaは、企業のシステムやクラウド、SaaSなどとAPI連携し、セキュリティ状態を継続的に可視化・管理するユニファイドトラストマネージメントプラットフォーム(※)である。40以上の主要セキュリティフレームワークに対応し、複数規格に共通する統制を一元管理できる。
さらに、400種類以上のAPIを活用して各種クラウドサービスから証跡を自動収集し、テストまで自動化する。従来は審査のたびに必要だったログや設定情報の収集作業を効率化できるほか、継続的な自動テストによって設定ミスや規格要件からの逸脱も検知可能だ。
背景には、ISO/IEC 27001やSOC 2、PCI DSS、SCS評価制度など、企業が対応すべき規格や法令の多様化がある。規格ごとの要件管理、証跡収集の負荷、審査期間以外のセキュリティ管理が形骸化する問題が課題となっていた。
※ユニファイドトラストマネージメント:複数のセキュリティ要件や統制、証跡などを一元管理し、企業の信頼性を継続的に維持するための管理基盤。
AI活用で継続的な管理へ 運用負荷に課題も
VantaではAIアシスタント「Vanta Agent」も利用でき、セキュリティポリシーのドラフト作成や顧客からのセキュリティチェックシートへの回答案作成、自動テストによる問題検知などを支援する。認証取得を一時的な審査対応で終わらせず、日常的なセキュリティ管理へ移行しやすくなる点は大きな利点だ。
GRCSはライセンス提供だけでなく、ギャップ分析、導入・審査支援、運用・保守まで専門家によるトータルサポートを提供する。導入前に効果や適合性を検証できるPoCも用意されるため、企業ごとの運用環境に合わせた導入が進む可能性がある。
一方、複数のクラウドやSaaSを連携させる場合、既存環境との適合性や運用設計が重要になる。自動化によって作業負担を抑えながら、AIや自動テストの結果を人が確認する体制をどう構築するかが、実効性のあるセキュリティ管理につながる鍵となりそうだ。