2026年8月28日、国内の盛岡市は、行政デジタル・トランスフォーメーションの一環として、生成AIを活用した「AI市長アバター」による窓口案内の実証実験を開始した。テクノホライゾンとファーストローンチが共同で協力し、市民への初期案内や多言語対応などを検証する。
AI市長アバターで窓口案内を自動化
実証実験は11月末まで、盛岡市役所本庁舎本館1階のエレベーターホールで実施する。午前9時から午後4時30分まで、市民が自由に利用できる形とした。AI市長アバターは内舘茂市長の写真と音声を基に作成され、来庁者が話しかけると音声で回答し、同時に回答内容をモニターへ表示する仕組みだ。
生成AIには盛岡市ホームページの内容を基に、窓口案内に必要な情報などを追加で学習させる。定型的な質問への回答や担当課への誘導を自動化できるかに加え、英語や中国語などの多言語対応、人型の音声アバターが文字チャットAIより心理的なハードルを下げられるかも検証する。
さらに、本実証ではファーストローンチが開発したAIアバター接客システム「AICO」を採用し、テクノホライゾンの販売協力を受ける。実施期間は延長される場合もあり、実証を通じて行政窓口におけるAIの適用範囲を見極める考えだ。
便利さの一方、回答精度が課題に
今回の実証で得られた効果や課題は、利用者へのアンケートなどを通じて把握する方針である。実用性が確認されれば、職員が繰り返し対応している初期案内の負担軽減や、来庁者が適切な窓口へ移動するまでの時間短縮につながるとみられる。また、多言語対応が機能すれば、外国人住民の行政手続きへのアクセス改善にも波及しそうだ。
特に人型のアバターを介することで、従来の文字ベースのチャットボットとは異なる利用体験を提供できる点は本実証の特徴と言える。
一方、制度変更など最新情報を適切に反映できる運用体制も重要になる。また、一般的な質問ではインターネット上を検索して回答する場合もあり、案内の正確性や情報源の扱いには注意が必要だ。
今回の検証結果を踏まえ、盛岡市が今後どこまで生成AIの行政窓口への活用を広げるかが焦点となる。
盛岡市プレスリリース:「AI市長アバター」窓口案内の実証実験