国内コンサルティング企業のジャイロ総合コンサルティングは、熊本地震の復興支援として、支援機関向け生成AI「Ai助」を無償提供する取り組みを開始した。
資料作成や情報整理を効率化し、被災事業者への迅速な支援につなげる。
熊本の支援機関へ生成AIを無償提供
ジャイロ総合コンサルティングは2026年8月17日、熊本県内の支援機関と、熊本の被災事業者を支援する県外の機関を対象に、支援機関向け生成AI「Ai助」を2026年12月31日まで無償で提供すると発表した。
対象は商工会や商工会議所、自治体、産業振興センター、よろず支援拠点などで、初めて同サービスを導入する拠点に限られる。
同社は30年以上にわたり、中小企業や小規模事業者への経営支援、創業支援、人材育成などに取り組んできた。
近年は生成AIを支援現場に導入し、経営相談や販促、補助金申請といった業務を支える「Ai助」を提供している。
今回の取り組みでは、補助金や支援制度の申請書類作成、事業再開に向けた情報整理、BCP(※)の策定、経営相談に必要な資料・文章の作成などを生成AIで支援する。
気象庁が公開する気象・防災情報を活用した情報収集や整理にも対応するという。
災害後は、被災事業者だけでなく、相談を受ける支援機関にも資金繰りや販促、情報発信など幅広い対応が求められる。
生成AIを定型的な資料作成などに活用することで、支援担当者の負担軽減と対応の迅速化を目指す。
※BCP:Business Continuity Planの略称。災害や事故などの緊急事態が発生した際に、重要業務を継続または早期復旧するため、対応手順や体制、必要な資源などを事前に定める事業継続計画を指す。
AI活用で対面支援の時間拡大に期待
災害復興の現場で生成AIを活用する最大の利点は、限られた人員で多くの相談に対応しやすくなる点にある。
申請書類の下書きや情報整理をAIが補助すれば、支援担当者は事業者への聞き取りや課題の整理といった、人による判断が重要な業務により多くの時間を割ける可能性がある。
とりわけ復旧初期には、支援制度の確認や事業再開に向けた手続きが集中しやすい。
こうした場面で作業時間を短縮できれば、相談対応の速度だけでなく、個々の事業者に合わせた支援の質を高める効果も期待できる。
一方、生成AIが作成した情報をそのまま利用するのではなく、制度の適用条件や防災情報などを担当者が確認する運用は欠かせない。
支援現場では正確性が求められるため、AIを最終判断者ではなく業務を補助する手段として位置付けることが重要になるだろう。
今回の無償提供が実際の支援現場で有効性を示せれば、災害復興における生成AI活用の一つのモデルとなり、他地域の支援機関へ活用が広がる可能性もあるだろう。
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