2026年8月6日、米Microsoftは、インド・テランガーナ州ハイデラバードに「India South Central」クラウドリージョンの一般提供を開始したと発表した。インドで4番目のクラウドリージョンとなり、企業のAI活用や重要システムの運用を支える国内インフラを拡充する。
Microsoft、ハイデラバードに4番目のリージョン
India South Centralは、Microsoft Cloudのサービスやワークロードをハイデラバードから実行できるデータセンターリージョンである。3つの「Availability Zones(※)」で構成され、インドの規制要件や地震区域の条件に対応した耐障害性を備える。
これによりMicrosoftは、プネーのCentral India、チェンナイのSouth India、ムンバイのWest Indiaと合わせ、インド国内で4つのクラウドリージョンを運営することになる。同社は、これによって国内最大のハイパースケールクラウド基盤を提供するとしている。
背景には、インドで急速に拡大するクラウドとAI需要がある。Azureの利用は過去2年間に高い2桁成長率で拡大しており、Adani Group、Bajaj Finserv、HDFC Bank、PB Payなどが早期アクセス企業として利用している。
本プロジェクトは、ミッションクリティカルなシステムの事業継続性やクラウド容量の強化に加え、AI活用の基盤としても期待される。
※Availability Zones:同一リージョン内で独立した電源やネットワークなどを備える障害分離された設備群。複数ゾーンを利用することで、障害発生時のサービス継続性を高められる。
AI本番導入を後押し、主権性と環境負荷が焦点に
今回の開設は、インド企業がAIの実証実験から本番環境での大規模展開へ移行する動きを後押しする可能性がある。特にデータの所在や規制への対応が求められる金融業界では、国内に近接したクラウド基盤を持つことが事業継続性やデータガバナンスの強化につながると考えられる。
一方、AIワークロードの拡大に伴って、電力や冷却などデータセンターの環境負荷は重要な課題となる。India South Centralでは、冷却に水を使用しない空冷式チラーによる次世代の機械冷却を採用しており、Microsoftが掲げる持続可能性への取り組みとも連動する。
さらに同社は、インドで2030年までに2,000万人へAIスキルを提供する目標を掲げ、2025年1月以降に560万人を訓練したとしている。
これらの動きはクラウドインフラ、AI人材、再生可能エネルギーを並行して整備することで、インドをAIの成長拠点として取り込む狙いがうかがえる。
今後は、India South Centralの拡張に伴い、企業のAI本番導入がどこまで加速するかが焦点になるとみられる。