消費者庁は写真加工アプリ「SNOW」の提供事業者2社に対し、ステルスマーケティングに該当する表示があったとして景品表示法に基づく措置命令を出した。
問題となったのは報酬を条件に依頼したX投稿で、広告であることを明示していなかった。
報酬付きX投稿を広告と明示せず
消費者庁は2026年8月6日、韓国のSnow Corporationと東京都品川区のSNOW Japan株式会社に対し、景品表示法に基づく措置命令を行ったと発表した。
Snow Corporationは日本国内における「SNOW」の表示内容の決定をSNOW Japanに委ねており、両社が提供するアプリ利用サービスに関するX上の投稿が今回の対象となった。
消費者庁によると、SNOW Japanは第三者に対し、対価を提供することを条件に、同社が示す方針に沿って「SNOW」に関する内容をXへ投稿するよう依頼していたという。
こうした経緯から、投稿内容の決定には事業者側が関与しており、一般利用者による自主的な投稿ではなく、事業者の表示に当たると判断された。
その一方で、対象となった投稿では、SNOW Japanから依頼を受けた内容であることが明らかにされていなかった。
投稿全体を見ても事業者による広告だと明瞭に判別できず、一般消費者が広告であることを判断しにくい表示だったとして、ステルスマーケティング(※)告示への違反が認定された。
消費者庁は両社に対し、対象となる表示行為を速やかに取りやめるほか、違反事実を消費者へ周知するよう命令した。
さらに再発防止策を講じて役員や従業員へ周知し、今後同様の表示を行わないことも求めている。
※ステルスマーケティング:広告であるにもかかわらず、その事実を消費者に分かりにくくした宣伝手法。事業者が表示内容の決定に関与しているのに広告だと判別しにくい表示は、景品表示法の規制対象となる。
SNS広告は依頼関係の明示が一層重要に
今回の措置命令は、SNS上で影響力を持つ個人へ投稿を依頼するマーケティングにおいて、広告主との関係性を明確に示す重要性を改めて浮き彫りにしたと言える。
企業が投稿内容の方針を示し、報酬まで提供している場合、投稿者個人の感想という形式だけでは広告性を否定できない。
広告であることを隠せば、利用者が第三者の自発的な評価だと受け取り、購買やサービス利用の判断を誤るリスクが考えられる。
今後は投稿内容だけでなく、依頼条件や報酬の有無、事業者がどの程度表現方針を指定したかまで含め、広告表示の必要性を事前に確認する運用が求められるだろう。
特にSNS施策を外部の投稿者へ委託する企業では、表示ルールを契約やガイドラインに組み込み、投稿前の確認体制を整えることが再発防止につながる。
透明性を確保しながら情報発信することは、長期的にはサービスや企業への信頼維持にもつながる。
今回の措置命令は、SNSマーケティングにおいて「自然に見せること」よりも「広告であることを正しく伝えること」が重視される流れを示したと言えそうだ。
消費者庁 「SNOW」と称するアプリケーションの利用サービスの提供事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
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