Sakana AIと大和証券は、ウェルスマネジメント領域で顧客への提案業務を支援するAIプロダクトの開発を開始した。
マーケット情報の収集・分析に関する技術検証の成果を生かし、コンサルティング業務の効率化と品質向上を目指す。
提案業務支援AIを本番開発へ
2026年8月5日、Sakana AIは、大和証券との共同AIプロジェクトについて、ウェルスマネジメント領域での本格導入に向けた本番開発を同月1日から開始したと発表した。
両社は2025年9月に締結したパートナーシップ契約に基づき、マーケット情報の収集・分析をテーマとする技術検証を実施した。
Sakana AIの「AIサイエンティスト」や「AB-MCTS」などのAIエージェント技術を用い、大和証券のコンサルティング業務への適用可能性を共同で検証した。
検証では、情報収集から分析に至る一連の業務を支援するAIエージェントシステムを構築した。
各工程で技術が有効に機能し、業務の効率化と高度化に役立つことを確認したほか、品質と処理能力の両面で本番開発へ移行するための技術基盤を確立したという。
さらに、利用者からのフィードバックを継続的に取り込み、AIの分析品質を改善する仕組みについても実現可能性を確認した。
今後は、技術検証で得た基盤を顧客への提案業務を支えるAIプロダクトへ発展させ、大和証券内で段階的に展開する方針である。
提案品質向上と運用課題
本番導入が進めば、担当者はマーケット情報の収集や整理に費やす時間を減らし、顧客との対話や提案内容の検討へ多くの時間を振り向けやすくなる。
資産形成や資産運用のニーズが多様化するなか、顧客ごとの状況を踏まえた情報提供を支える基盤として機能すれば、コンサルティング品質の底上げにつながるだろう。
また、利用者からのフィードバックを継続的に反映する仕組みは、実務に即した分析品質の改善につながると考えられる。
利用実績が積み上がれば、個別の提案業務にとどまらず、情報分析を必要とする他の証券業務へ展開できる余地も生まれる。
一方、金融分野では、AIが示した分析結果の妥当性を人が確認し、提案の根拠や責任の所在を明確にする運用が欠かせない。
市場環境は急速に変化するため、古い情報や不十分な分析を前提に提案すれば、顧客の判断へ影響を及ぼすおそれがある。
今後の焦点は、処理性能だけでなく、現場での確認手順や改善体制を含め、AIを安全かつ継続的に運用できる仕組みを整えられるかにあるだろう。
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