2026年8月4日、NTT東日本は江東区教育委員会と連携し、東京都江東区内の小中学校3校で生成AIを活用した実証実験を実施していると発表した。授業での生成AI活用モデルの構築と教職員の校務負担軽減を目的とし、教育現場における生成AI活用の有効性を2026年11月まで検証する。
授業と校務で生成AI活用を検証
NTT東日本は2026年7月から11月にかけて、江東区立毛利小学校を含む区内3校で生成AIを活用した実証実験を進めている。対象は授業と校務の両面であり、児童・教職員双方の生成AIリテラシー向上と、学校現場で活用できるモデルケースの構築を目指す取り組みである。
授業では毛利小学校4年生1クラスを対象に、生成AIの仕組みや特性、利用時の注意点を学んだうえで、GIGA端末(※)を使った学習を実施した。NTT東日本が授業の企画から講師役、実施支援まで一貫して担当し、学校現場で再現可能な授業モデルの確立を図る。
校務では全教職員へのアンケートを基に負担の大きい業務を洗い出し、生成AIテンプレートを作成する。授業準備や教材作成、教職員の自己評価、学力テストや習熟度テストの分析などを対象に、業務効率化と成果物の品質向上を検証する計画だ。
例えば、学年・教科・単元を入力するだけで授業のタイムチャートやスライド、児童向けワークシートを作成できるテンプレートを整備する。2026年8月以降は教職員向け支援を本格化し、実際の校務で運用しながら改善を重ね、作業時間の削減効果や運用上の課題を検証する。
※GIGA端末:GIGAスクール構想に基づき、児童・生徒1人に1台配備される学習用端末。ICTを活用した授業の基盤となる。
教育DX加速へ期待と課題
今回の取り組みは、生成AIを授業だけでなく学校運営全体へ取り入れる実証として注目される。授業準備や教材作成などの定型業務を効率化できれば、教職員が児童と向き合う時間を確保しやすくなり、教育の質の向上にもつながる可能性がある。また、児童が生成AIの仕組みや適切な利用方法を実践的に学べる点も大きなメリットと言える。
一方で、生成AIの出力は常に正確とは限らず、教育現場では教職員による内容確認や最終判断が重要になると考えられる。AIへの過度な依存を避けながら活用ルールを整備し、情報モラルやリテラシー教育を並行して進めることが、今後の普及に向けた重要な要素になる可能性がある。
NTT東日本と江東区教育委員会は、実証で得られた成果や課題を踏まえ、区内の他校への展開も視野に入れている。効果が確認されれば、教育DXを推進する自治体向けのモデルケースとして横展開が進む可能性もあり、学校現場における生成AI活用の普及につながる可能性がある。
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