クオンタムソリューションズは、グループ保有ETHの累計売却上限を1,875ETHから4,375ETHへ引き上げた。
連結子会社は同日1,000ETHを売却し、約3億1,100万円を確保する一方、約1,700万円の売却損を計上する見込みだ。
ETH売却上限を2,500ETH追加
クオンタムソリューションズは2026年7月30日、取締役会の書面決議で、AIインフラストラクチャ(AIDC※)事業に必要な資金を機動的に確保するため、グループが保有するETHの売却方針を変更した。
従来は2026年6月4日から10月30日までに累計最大1,875ETHを売却する計画だったが、新たに2,500ETHを追加し、上限を4,375ETHへ拡大した。
同社の連結子会社GPT Pals Studio Limitedは、6月16日に904ETHを売却しており、今回さらに1,000ETHを1ETH当たり1,903米ドルで売却した。
売却代金は手数料控除後で190万3,000米ドル、日本円換算で約3億1,100万円となる。
これにより累計売却数量は1,904ETHとなり、変更後の上限に対する残存売却可能数量は最大2,471ETHとなった。
売却後のグループ保有残高は4,764.80ETHで、このうち3,050ETHは借入れの担保として差し入れ、残る1,714.80ETHを取引口座で保有している。
一方、今回の売却単価は、2026年5月31日時点の時価評価後の帳簿価額である1ETH当たり2,003.97米ドルを下回った。
そのため、差額10万970米ドル、日本円で約1,700万円を2027年2月期第2四半期の売却損として計上する見込みである。
※AIDC:AIデータセンターを中心に、GPUや通信設備、電力、冷却機器などを組み合わせてAI処理基盤を提供する事業領域。大規模な初期投資と継続的な設備資金を必要とする。
資金確保を優先、価格下落リスクも
売却上限の拡大は、ETHを保有し続けることよりも、AIDC事業の立ち上げに必要な現金を確保する判断を優先したものと言える。
データセンター利用契約やGPU設備導入にはまとまった資金が必要であるため、暗号資産を事業投資へ振り向けられれば、計画を遅らせずに進めやすくなるはずだ。
ただし、ETH価格が帳簿価額を下回る局面で売却すれば、今回のように損失が発生する。
同社は今後もETHを追加売却することもできるが、価格が低迷した場合には損失額が膨らみ、四半期業績の変動要因となる可能性がある。
また、売却後の保有ETHの多くが借入れの担保に充てられている点にも注意が必要だ。
自由に処分できる数量は限られるため、追加の資金需要が生じた場合、売却時期や数量の選択肢が狭まることも考えられる。
今後は、暗号資産の売却によって確保した資金をAIDC事業の成長へ結び付けられるかが、今回の方針変更を評価する焦点になりそうだ。
クオンタムソリューションズ株式会社 当社グループ保有暗号資産 ETH の一部売却方針の変更及び連結子会社における暗号資産(ETH)の売却並びに当該売却損の計上に関するお知らせ
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