SBIホールディングスは、シンガポールのデジタルアセット企業Coinhakoの子会社化を発表した。
現地の顧客基盤や規制対応力を取り込み、日本と東南アジアを結ぶ暗号資産・デジタル金融事業の拡大を目指す。
SBI、Coinhakoの過半数株式を取得
2026年7月17日、SBIホールディングスは子会社のSBI Ventures Assetを通じ、Coinhakoを運営するHoldbuildへの資本注入と既存株主からの株式取得を実施したと発表した。
シンガポール金融管理局から必要な承認を得たうえで、2026年7月16日付で株式の過半数を取得し、連結子会社化を完了している。
Coinhako Groupは、シンガポールでデジタルアセット関連事業を展開する企業グループだ。
主要決済機関ライセンス(※)を持つHako Technologyと、英領バージン諸島で暗号資産サービスプロバイダーとして登録されたAlpha Hakoを通じ、規制に準拠した暗号資産取引サービスを提供している。
SBIグループはシンガポールをデジタルアセット戦略の重要拠点と位置づけ、アジア太平洋地域で事業基盤の構築を進めてきた。
Startaleとの協業では、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」を展開するなど、オンチェーン金融の領域にも取り組んでいる。
今後はCoinhakoが持つ顧客基盤、運営ノウハウ、地域ネットワークと、SBIの金融サービスや技術基盤を組み合わせる方針だ。
JPYSCを含む既存サービスとの連携も視野に入れ、日本と東南アジアを結ぶデジタルアセットの流通経路を広げるとしている。
※主要決済機関ライセンス:シンガポール金融管理局が、一定規模を超える決済サービス事業者に付与する認可。暗号資産関連サービスを含め、資金洗浄対策や利用者保護などの規制要件への対応が求められる。
規制対応力がアジア展開の鍵に
今回の子会社化は、SBIが東南アジアでデジタルアセット事業を拡大するうえで、現地市場への参入速度を高める効果が期待される。
新たに取引所を構築する場合と比べ、既存の顧客基盤や規制対応の実績を活用できる点は大きな利点だと言える。
特に、暗号資産やステーブルコインを国境を越えて流通させるには、各地域の法制度に適応した事業基盤が欠かせない。
Coinhakoとの連携が進めば、JPYSCを活用した決済や送金、オンチェーン金融、資産のトークン化など、新たなサービスにつながる可能性がある。
一方、国や地域ごとに暗号資産への規制方針は異なり、制度変更によってサービス設計の修正が必要になる場合も考えられる。
複数の法域をまたぐ事業では、本人確認や資金洗浄対策、利用者資産の管理を一貫した水準で維持する体制が重要になるだろう。
SBIが掲げるグローバルなデジタルアセット流通網を実現するには、買収後のサービス統合と規制対応を着実に進める必要がありそうだ。
Coinhakoとの相乗効果を具体的な金融サービスへ落とし込めるかが、アジア戦略の成否を左右すると考えられる。
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