株式会社イクヨは、本社内にステーブルコイン決済対応のUFOキャッチャーを設置し、体験型の実証実験を開始した。
INSPIRY JAPANとの業務提携の一環で、来客や従業員が娯楽を通じて次世代決済の利便性や速度を体験できる環境を整えた。
UFOキャッチャーで次世代決済を検証
2026年7月21日にイクヨが導入を発表したのは、INSPIRY JAPANのWeb3決済システムを搭載したクレーンゲーム機である。
来客や従業員が娯楽を通じてステーブルコイン決済を実際に体験し、その利便性や決済速度を確認できる環境を整えた。
今回の取り組みは、同社が成長戦略として掲げる「次世代決済インフラ」の普及に向けた実証実験に位置付けられる。
単なる技術展示ではなく、日常的で分かりやすい体験に落とし込むことで、利用者の反応や導入上の課題を収集する狙いだ。
ステーブルコイン決済を、短時間で体験しやすいクレーンゲームに組み込んだ点も今回の取り組みの特徴である。
システムは、高速処理と低いネットワーク手数料を特徴とするSuiブロックチェーン上に構築されている。
システムはSuiブロックチェーン上に構築され、安全性と拡張性を特徴とする設計言語『Move』を採用している。
決済にはUSDCなどの利用を想定する。
イクヨは、一般的なクレジットカード決済の手数料を3〜5%程度とした上で、同システムでは1%以下を実現できると説明した。
加えて、即時決済・即時入金、事前の両替を必要としない国際対応を主な利点に挙げている。
低コスト決済の実用化へ課題も
ステーブルコイン決済が実店舗へ広がれば、加盟店側では決済手数料の圧縮や入金サイクルの短縮につながる可能性がある。
対応するステーブルコインをすでに保有する訪日客にとっては、円への事前両替を介さずに支払えるとみられる。
また、ゲーム機を活用した体験型のPoCは、ステーブルコイン決済の利便性や処理速度に対する利用者の反応を把握する機会になると考えられる。
決済端末の導入を検討する事業者にとっても、実際の利用場面を示すショーケースになり得るだろう。
一方、今回のPoCは本社内のクレーンゲーム機という限定環境であり、一般店舗での継続利用や大量処理、返金対応、会計処理まで実証できるとは限らない。
利用者がウォレットを準備する手間や、法規制、価格連動資産に対する理解も普及上の論点になりそうだ。
イクヨは今後、実験で得たフィードバックを基に、INSPIRY製決済端末の国内普及支援やOEM受託による協業を進める方針だ。
さらに、同社が設立を主導したステーブルコイン決済協会との連携も深めるとしており、今回の小規模な体験実験が商用展開へつながるかが焦点となるだろう。
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