日本のSBIホールディングスと米Ondo Financeは、オンチェーン金融分野での戦略的提携を発表した。日本株などの資産をトークン化し、SBI発行の円建てステーブルコイン「JPYSC」を決済や担保に活用する構想を進める。
日本資産をOndo経由で世界へ
2026年7月16日の発表によると、SBIとOndo両社が目指すのは、日本株をはじめとする国内資産をブロックチェーン上でトークン化し、Ondoのプラットフォームを通じて提供する仕組みの構築だ。
あわせて、Ondoが扱うトークン化商品をSBIグループの証券、デジタルアセット、取引所、決済などの事業基盤へ展開する方針を掲げる。
Ondoは、株式やETFなどの金融商品をオンチェーンで扱う基盤を開発してきた。主力の「Ondo Stocks」は、米国上場株式やETFを裏付けとするトークン化商品の発行・償還に対応し、米国外の投資家へ新たな投資経路を提供するサービスである。
今回の提携では、RWA(※)の発行だけでなく、取引後の決済や担保にも焦点が当たる。SBIグループが開発する信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」を活用できれば、日本資産の取引を円建てのままオンチェーンで完結させる選択肢が生まれる可能性がある。
ただし、対象資産や顧客、提供地域、開始時期は未定だ。実際のサービス化には、国内外の法令や金融規制への対応、必要な手続きの完了が前提となる。
※RWA:Real World Assetsの略。株式、債券、不動産など現実世界の資産や権利を、ブロックチェーン上で取引できるトークンとして表現する仕組みを指す。
円建て決済の実現性と規制対応が焦点
提供地域や投資家区分に関する規制上の条件が整えば、海外投資家にとって日本株への新たなアクセス手段となる可能性がある。SBIにとっても、既存の金融顧客基盤とWeb3インフラを結び付ける機会となり、Ondo側も米国中心の商品群から日本資産へ領域を広げられる。
特にJPYSCが決済・担保として採用されれば、円建て資産とオンチェーン市場を接続する重要なインフラになりうる。ドル建てステーブルコインが中心だった市場に円の選択肢が加わることで、日本企業や投資家の参入障壁が下がり、資金移動の利便性が高まる可能性もある。
一方、トークン化商品は原資産そのものと同一ではなく、保有者の権利、償還条件、流動性、カストディ体制を明確にする必要がある。国境を越えて提供する場合は、各国の証券規制や本人確認、マネーロンダリング対策への適合も避けて通れない。
今後の焦点は、構想を実際の商品と取引基盤へ落とし込めるかどうかにかかっているだろう。制度面の整備と利用者保護を両立できれば、日本の資本市場をグローバルなトークン経済へつなぐ有力な事例になると言える。
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